第24話

洞窟の途中に数体の魔物と戦ったが圧勝出来た

洞窟を出てから翼を生やして空を飛ぶ

真っ直ぐ戻るのでは無く行く時に土砂崩れを起こした場所の様子を見る

兵士たちが未だに作業している

見るからにここ以外に安全に通れる道が無いように見える

犠牲を無視して行こうと思えば山を通ればいいが魔物の異常発生しているせいで生きて通れる兵士がそうそう居ないのだろう


……異常発生の原因を探ろうかな? まだそんな時間経ってないし帰ってもやる事ないから


山の方に戻り空から魔物の様子を伺う

大量にいる魔物は辺りをうろついている

よく見ると一箇所を中心に魔物がウロついているのが確認出来る

少数がそこより遠くにいるが大半はその一箇所付近数キロにいる

そこは私が通った道の近くであった

異常なあの数は侵入者から何かを守る為なのだろう


「この山でこれ以上増えたら困る」


地面に降りると魔物がこちらへ向かってくる


「闇魔法 ブラックレイ」


大量の数には大量の弾で対抗する

魔物が増える数よりも多い数で対抗しようとするが減らずに増えていく


……まさか一部が蘇っている?


殺した魔物を見ると一部の魔物が立ち上がってこちらに来ている

増えているというよりは殺しても蘇る奴の数が多いせいで増えているように錯覚していたのだろうと考えたがそれを含めてもやはり増えている


「ムムム、この数は厄介……削れないなぁ。闇魔法 ブラックウェポン」


武器を作り飛ばす

武器が突き刺さった魔物が蘇り仲間の魔物に斬りかかる

蘇るならそれより先に操ればいいと考えいくつかの武器に一滴血を垂らして飛ばしていた

異変に気付いたのか小さな洞窟から魔族が1人現れる


「闇魔法使い? 貴様何者だ!」

「さぁね、魔物を増やすのやめてくれないかな? 近くの国に攻め込まれでもしたら困っちゃうから」

「人間が調子に乗るなよ」

「闇魔法 ブラックレイ」


魔物を無視して魔族に攻撃をするが防御魔法で防がれる


「舐めるなよ。炎魔法 ファイアーブレス」

「闇魔法 闇繭」


闇属性魔力を薄く自分の周り半径1メートルに張り魔物の攻撃と共に攻撃を防ぐ

魔族の攻撃で近くの魔物が焼かれる


……魔物増やしてるのに焼いて良いんだ〜


「防御魔法だと! 炎魔法 炎龍の咆哮」


広範囲にわたる炎が動植物を焼いていく

大量に居た魔物も焼かれ倒れていく

炎に焼かれた魔物は蘇ることがなく倒れ絶命している

操っていた魔物も同様に倒れている


「むむ、攻撃は防げても攻めきれないなぁ。接近するかな。我が身と一つになれ 闇魔法 黒衣武装」


魔力を変換した闇を纏う

鎧のような見た目をしていて元着ていた服とは違い何故かある程度露出があるが魔力を全身に纏っている状態のため身体能力が格段に上がった

鎧を纏い終えた後に邪魔になるので服を脱ぐ

余剰分の闇が自分の周りに漂っている


……この程度ならまだ恥ずかしくはないかな? そこまで露出無いし


黒繭を解いて高速で接近して背後を取る

魔族は隙を突かれ私を見失い探している


「闇魔法 ダークインパクト」


小手の形をした魔力をそのまま使いぶん殴ると魔族は地面まで吹き飛ぶ

防御魔法を張ることが出来ずもろにくらうが蹌踉めきながらも立ち上がる


「雑魚が調子に乗るな! 炎魔法 炎龍の逆鱗」


先程の比ではない炎が私目掛けて飛んでくる


……水神の逆鱗だっけ? あれと同じかな


防御魔法を張らずに攻撃を受ける

自動的に余剰分の闇が私を守る


「死に晒せや、人間があぁ!」


魔力の使い過ぎで血を吐く魔族が叫ぶ

自身の持つ最大の火力で私を攻撃する

私が耐えているのを確認して魔族としての誇りを人間に負ける事で傷付けられるのが嫌なのか魔族の奥の手を使う


「リミットオーバー、殺ス」


更に魔力が上がっていく


「炎神ノ劔! 死ニ晒セ」


……強い!


鎧だけだと防ぎきれないと考え盾を何重にも張る


「闇魔法 黒繭」


繭を張って防御に徹する

このままでは魔族側は限界まで達して自滅するだろう

恐らくどちらかが死ぬその時までこの魔法は続く


「死ネエエエ!」

「負けない!」


両者とも引かない

ここまでくると馬鹿の意地の張り合いである

炎の勢いが弱まる

魔族の命が尽きかけているのだろう

今なら一撃与えれば殺せると考えて防御を辞め攻撃に入ろうと武器を作り接近する


「私の勝ちだ」

「…………」


もう魔族が生きているかも定かではない状態になっていた

魔力は枯渇し全身から血が流れていた

剣を振るい首を完全に捉えた一撃で魔族を斬り裂……けない

剣が首に当たる直前で停止して炎で吹き飛ばされる


「なっ、まだ動けるの!? そんな身体で」

「俺ハ……魔族ダ。人間ニナド負ケルナド許サレナイ」


魔力が魔族に集まる


……火事場? いやこれは違う。おいおい、良いねえそれでこそ戦いだ


私は魔族の様子を見て魔法を構える

魔族の傷が完全に癒えて姿が変わる

角が長くなり翼が先程よりも立派になり中性的な顔立ちに変わる

何故顔立ちまで変わったのかは分からないが先ほどの比ではないほどの魔力と威圧がある

魔族が成長ではなく進化したのだ

命の危機そして人間に負ける屈辱感、そして絶対に殺すという意思が魔族を強くした


「闇魔法 ダークバースト」

「炎魔法 ファイヤービーム」


私たちの魔法がぶつかり合う

衝撃波でここら一帯が荒地と化す

地面の様子を一瞥して魔法の準備をする


「お前人間か?」


魔族の口調が戻る

首を横に振り兜を外す

長い銀髪が姿を現わす

魔族がそれを見てフッと笑い魔法を使う


「吸血鬼か」

「えぇ、人間ではない」

「あははは、これなら負けても仕方なかったな。先程までは 炎魔法 ファイヤーブレス」

「闇魔法 黒繭」


繭を張り攻撃を防ぐがヒビが入り破られる

思わず割れたと同時に距離を取る


「本気を出してこい。それだけではないだろう?」

「う〜ん、結構手加減自体はしてないんだけどねぇ。それより進化すると君達って性別でも変わるの?」


進化して変わったのが気になったので質問すると魔族は少し悩み答える


「変わるというよりは中性になる。魔族と言うのは元々生殖機能こそあれど使いはしないからな。高位魔族になるとどちらにでも成れるというよりはあれか、両性という存在になるらしい」

「成る程」


魔族の答えに納得する

クロルも女性の姿こそしているが両性なのだろう


……ロリコンなのは元々が男だったからかな? いやあれに関しては関係無さそう、というより多分元から女だあれは


「俺の名はラフィラだ。お前も名乗れ」

「シャルレーダ・ベネリリスだよ。シャルって呼んでね、それより名字ってないの?」

「名字というのはお前でいうベネリリスの事だよな? それは七裁王クラスにならないと手に入らないぞ。大抵の魔族は名前だけだ」

「へぇ、そうなんだ」


ラフィラと会話する

先ほどまで戦っていたのに緊張感がない

私が吸血鬼と分かって無駄に勝利に拘らないように見えるが戦う気はあるようだ


「では続けようか 炎魔法 イグニス」


ラフィラの周りに炎の球が浮遊する


「闇魔法 ブラックレイ」


複数の弾を飛ばして攻撃するが軽々と避けられる

接近してきて関節戦を仕掛けてくる

炎の球と闇がぶつかり相殺される

魔力を込めて殴り合う

蹴りを繰り出すが止められ足を掴まれ地面目掛けて投げられる

地面に激突してラフィラの方を向くと巨大な火の玉を出していた

咄嗟に防御を張る


「炎魔法 炎神の宝玉」


ラフィラが手を振るうとゆっくりと巨大な火の玉が接近してくる

回避しようにも大き過ぎて接近までに逃げ切れるかわからない上にこれが地面にぶつかれば間違いなくこの山は跡形もなく消えるだろう


「闇魔法 闇喰い」


巨大な闇が火の玉とぶつかり飲み込もうとするが大き過ぎるがあまり飲み込みきれていない


……半分以上は持って行けるけどキツイなぁ


「雷魔法 雷神の放電」


火の玉を囲むほどの電気が火の玉を防ぐ

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