第7話 眷属

俺達が宝物庫みたいなところで何があったか話していたら突然俺達の足元に魔法陣が現れて行き成り転移させられた。

目を開けるとそこは森みたいだった。最近転移する事多くね?俺達がこの世界に転移させられた時が1回、生け贄にされた時に2回、ドラゴンに襲われた時に3回、それで今、4回。この世界に来たのが昨日だから1日に2回転移したことになるね。俺の意思関係無しに。


『『お待ちしておりました。神獣王様』』


周りを見渡していたら行き成り頭の中に直接聞こえて来た。俺はキョロキョロして後ろを見た時に2匹の大きい狼が伏せの体制をしていた。月音も俺と同じ様に振り返って驚いていた。俺が唖然としているとまた頭に声が聞こえて来た。


『私達は神獣フェンリル。神獣王様の眷属にして頂きたくお待ちしておりました』


そういえば神獣や神龍は神獣王の眷属になる事が憧れ何だったっけ?それにしてもフェンリルが2匹ってどういうことだ?しかも白と黒が居るしさ。フェンリルが仲間になってくれたら序盤は楽になるから眷属になってもらおう。


「いいよ。眷属にしてあげる」

『『本当ですか!?ありがとうございます!』』


俺が自分のメリットを考えて眷属にすることを伝えるとフェンリル達は目を見開いて驚いていた。人間みたいな反応をするんだな。それより眷属にする方法知らないんだよな。どうやればいいんだろう?メイは知ってる?


『………』


まさか聞いても何も答えてくれないとは思わなかった。分からないなら分からないって言ってくれればいいのにそれすらも言ってくれないからなぁ。メイって意外と使えないのか?まぁ適当にやってみれば意外と何とか出来ると思うんだよな。


まぁ魔法とかもイメージで何とかなるから眷属にするとかもイメージで何とかなるかな?俺はフェンリル達を眷属にするイメージをしてみた。すると俺とフェンリル達が入るように魔法陣が出てきて俺の中から魔力が出て行って代わりにフェンリル達の魔力が入って来て繋がった感じがした。


《フェンリルが眷属になりました。名前を付けて下さい》

《フェンリルが眷属になりました。名前を付けて下さい》


『『ありがとうございます!』』


無事眷属に出来たみたいだ。良かった安心した。それからにフェンリル達に名前を付けないとな。でも、メイの名前決めの時に分かってると思うけど俺にはネーミングセンスがない。


だから滅茶苦茶な名前になる気がするから安直な名前の方がいいよな。笑顔で言えば安直な名前でも何とかなるかな?まぁ俺の笑顔何て需要無いから無理だと思うけどな。少しでも認めて貰いたいから一応しておこう。


「じゃあ白いフェンリルはシロ。黒いフェンリルはクロで如何だ?」


俺はそう言ってフェンリル達の反応を待った。その間に月音の反応を見てみるとうわーって顔をしてた。俺が安直な名前を付けたからちょっと引いてる感じがする。


『ご主人様!素敵な名前ありがとうございます!』

『ご主人!ありがと!』


最初にシロが俺にお礼を言った。その後すぐにクロも言ってきた。良かったよ。取り敢えずシロ達を連れて行くならこのままだと街に入れないよな。如何にかならないか聞いてみるか。


「シロとクロはもう少し小さくなるか人の姿になれないのか?」

『なれるよ!ご主人!なった方がいい?』

「ああ、ここが何処だか知らないけど俺達は街に行きたいんだ。だけど街に入る時クロ達が一緒だと入れないかもしれないけど人の姿か小さくなれば入れると思ってな」


もしかしたら出来ないかもと思って聞いてみたけど出来るみたい。俺が出来るならやって欲しい事を伝えるとクロとシロは何かのスキルもしくはあ魔法を使ったのか光出した。すぐに光は収まって俺と同じ様に獣人族と同じ様になった。


シロは名前通り髪は白くクロも名前通り髪の色が黒かった。瞳は人になる前の狼の時と同じで2人とも赤だった。因みに月音から教えて貰ったんだけど俺の瞳も右は赤らしい。右は黒だ。何故かオッドアイになっちゃんだよな。


シロはハーフアップでクロはワンサイドアップだな。序でに言うと月音は黒髪に赤のメッシュが入ってるんだよな。髪型はボブだな。。身長は2人とも俺と同じ位。俺は殴られ続けたのが悪かったのかあまり身長が伸びず162㎝位なんだよ。


実は月音より俺の方が身長少し低いって言うね。ここだけの話月音の身長は164㎝なんだ。シロとクロは2人とも容姿が整っていて美少女だ俺は少し見惚れちゃった。


俺が2人に見惚れていると横から凄い圧力と殺気を感じて反射的に横に振り向いたら月音が凄い無表情で俺を見ていた。めっちゃ怖い。取り敢えず見なかった事にして話を変えることにした。


「そ、そういえば2人はここが何処だか分かるの?」

「はい。この森の名前は知りませんが案内出来ますよ」

「なら街道まで案内してくれない?」


俺が話を変えたら月音から溜息と共に圧力と殺気が消えた。怖かったから助かった。今度はシロが答えてくれた。何か知らないけどシロが答えるとクロがシロを睨み付けていたしシロはそれを見てドヤ顔しているようだった。


そういえば姿を変えられるか聞いた時クロが答えてシロが同じ様に睨み付けていたような気がするな。その時はよく見ていなかったから真実は分からないけどな。


そんな事を考えていたらシロとクロのやり取りは終わってたみたいで2人は森を進んで行った。俺と月音はそれに付いて行く形で歩いて行った。暫く歩いていると俺の気配察知に魔物の反応があった。月音も気づいたみたいだ。シロとクロも止まっていた。


「この先にゴブリンが居ます。ご主人様達気を付けて下さい」


シロがそう警告してくれた。俺達のレベルを分かってるみたいだ。そういえばシロ達のステータスを確認してなかったな。ゴブリンを如何にかしたら確認しよう。


クロを先頭に俺、月音、シロの順番でゴブリンまで歩いて行った。暫く歩くとクロが止まった。俺達は今草むらに隠れている。ゴブリンに気づかれない様に少し顔を出したら120㎝位の緑色をした生物が居た。彼奴がゴブリンだろう。鑑定して基準を確認しておこう今後の為に。


【ステータス】

名前 ――

性別 ♂

種族 ゴブリン族

レベル 2


HP:D

MP:D

攻撃力:D

防御力:D

速さ:D


スキル

無し



こんな感じだった。なるほどな。めっちゃ弱いじゃん。俺達はレベルを上げないといけないんだけど此奴1体だけじゃ全然上がらない。街に入る前までにCランク冒険者位を倒せるようになっておかないといけない。テンプレの為に。


『マスターの行動原理は可笑しいですね。テンプレの為にレベル上げをするんですから』


まぁでも大丈夫俺にはあの宝物庫っぽい所でチートアイテムを見つけてきてあるからな。それは経験値倍増の指輪と必要経験値1/2の指輪だ。これを付ければこのゴブリンだけでも結構レベルが上がるんじゃないだろうか?


「ご主人。倒さないの?」

「いや?倒すぞ。ちょっと準備をな」


俺はそう言ってアイテムリングからチートアイテムを取り出して自分の指に付けた。ただ指に付けると刀持つときに少し邪魔なんだよな。如何にかしないといけないな。もしくは慣れか。


おっと刀を出すの忘れてた。アイテムリングから白桜を取り出して左腰に差しておいた。今はベルトに差すしかないけど街に言ったらもうベルトに差す必要もなくなるだろう。後は念の為身体強化もしておこう。


「じゃあ行くか。月音達は見てて」


俺はそう言って返事を聞かずに草むらから飛び出したゴブリンは音が聞こえたみたいで俺が抜刀する前に振り向いてしまった。まぁ格下だから何とかなるだろう。抜刀した刀を構えるとゴブリンが走って来たみたいだが遅くて簡単に避けることが出来た。すれ違いざまに刀で首を切っておいた。


ゴブリンの首を切ったのですぐに首が落ちると思ってたけどすぐには落ちず少し進んだところで首が落ちるのと同時にゴブリンも倒れた。めっちゃ簡単だったな。取り敢えずこのレベルアップのファンファーレと声が煩い。


《レベルアップしました》

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