五月の至高の輝きに満ちた太陽

精神の青空に輝きわたる太陽。


あらゆる宗教や哲学を包含せしその太陽は、


マヤのマチュピチュで、崇拝されたあの原初のシンボルである。


9年前、あの丘を十字架を背負いながら全部登りきった。


神や再び、私に秘められた栄光を与えたまえ!


盲目な我の目を開きたまえ!



千の太陽よ!


勝利の光明よ!


私は断じて曖昧さの中に逃げたりはしない。


ヴァジュラよ。


ヴァジュラサットヴァよ!


我は汝なり。


憎しみ、愛、怒り、悲しみ


失恋自殺の少女、自己満足に浸った大富豪


死んだ仲間の死体を取り戻しにいく兵士


すれ違いの恋愛、堅牢な構成の大聖堂


森羅万象、ジャッカルに食べられる飢餓地帯の少女


ワーグナーの音楽に酔いしれる独裁者。


あらゆる宇宙の存在が、走馬灯のように目の前に現れた。


そしてそれらすべてのなかに知性として私は偏在していた。


それらはただ印象として来ては去っていく。


過ぎ去った時はもう二度と戻ってこない。


だからどんなひどいことも再び起こるだろう。


思い出した。


私はあの時、十字架の上で、悟った真実をみんなに伝えたくて戻ってきたんだ。


そしてそのすばらしさを伝えていくうちに、衆生とひとつになっていった。


前世、僕は富や名誉にとらわれていて現世にしがみついていた。


9年前、全てを捨てて、現世を離れたんだ。


そして今度は、支配される者としてではなく、現世というゲームを楽しむマスターとして戻ってきた。


我性が母なる客体の光と合一するとき、「知」の光のみが残り、エネルギーを形成する形態の原因である観念なる無限の識別を支配下に置くだろう。



エネルギーが妨げられないとき、もはや「悲しみ」はない。




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