悲しみも苦しみも寂しさも克服した男。

宇宙でたった一人の絶対的孤独を体験してもう8年以上になる。


最初は寂しくて仕方なかった。


しかし、今はもうあの寂しさはない。


春の雪解けのように。


梅の花が咲いてる。


芳しいにおいがする。


気づけば、その辺の市井のおばちゃんと自然に会話し、彼女を変えていた。


存在が周りを感化していく。


私の言葉は体験と実存から出ており偽りはなかった。


悟りとは悲しみなんだよ。


降り止まない雨が、女神の象徴であるように。


女は男より悲しみを鋭敏に感じる。


悲しみが感性を鋭敏にし、解けて、消えたとき、


苦しみが十分に感じられて、姿を消したとき、


残る安らぎの感覚。


鋭敏さがきわまって、鋭敏さそのものから脱却したとき。


それは鈍感さではなく、極度の鋭敏さの結果としての安らぎだったのです。


精妙で、重荷を下ろしたかのような安らぎ。


愛の酩酊、美しいメロディの重荷を。


私は心理的に死んでいるようで、実はとてもリスキーに生きている。


恐怖を感じないのではない。


恐怖を感じている。


それは、リスクを払って生きてることの証。


孤独と寂しさを乗り越えることで人は大人の男になる。


少年期の未熟さを断ち切れる。


女との恋愛、つまり女との戦いによって、大人になる。


走馬灯がよみがえってきた。


女たちの怒りの声、鋭い言葉。


孤独や寂しさとは、厳しい意見や言葉に一人で向き合う、その事実を見つめる勇気によって克服される。


闇と混沌を潜り抜けてきた。


昨日、教会の人たちと話しこんだが、認識がずいぶんゆるく感じた。


闇と混沌を潜り抜けた厳しさと強さを持ってる人には出会わなかった。


私が異常なほど闇を見すぎてるせいなのかもしれないが。


あるおばさんに私は言った。宗教やドラッグや酒やタバコや映画などの逃避が一切なかったらどうしますか?


おばさんは言った。人間ってそんなに強くないよ。


私は言った。それはメディアの刷り込みですよ。意外と強いもんですよ。


むかし、まだ私が覚醒し初めだったころ、精神病院にぶち込まれてたとき、


看護婦に、私はロマンティストの部分もあるんですよ。といったら、


看護婦たちは、男はみんな寂しがりだわよ。などといってせせら笑っていた。


私は、なぜこの人たちは、人を弱いと決め付けたがるのだろう。と不快に思った。


なぜ日本は、自国を馬鹿にし、男性を馬鹿にし、自分を卑下するみたいな奴隷状態に耐えれるのだろう。


自分で自分を生み出す。


コネや才能や環境の恩恵によってではなく、闇を潜り抜けて自己のアイデンティティを確立する意志力というのがアジアの人には乏しい。


日本人は勤勉だ。勤勉さは、ある種の社会的自信を作り出すことはできる。


また責任感が高い。


しかし、責任感、勤勉さ、義務感、自信といったものは、高度な分離感覚に基づいてると見ていい。


君は、誰かを本当に助けるとき、助ける義務的自分というのを意識しないはずだ。


自発的な行為は、自己を意識しないいわば大洋的なものだ。


日本の男は、幸福感が低い。


責任や義務にとらわれて、それが大人だと勘違いしている。


それは少年期の名残だ。


大人の男とは、人生を楽しんで自発的に生きれるひとのことだ。


南米の男は、幸福度が高い。


アイデンティティを持ってリスクを払って生きてる人が多いからだ。


理性の働きを止めてごらん。


ただ感じてごらん。


女になってごらん。


心の透き通った鏡に映し出されていく幻像。


昨日の雨は、彼女の涙だったんだ。

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