パトロンになるのはきっと間違っている②
教室に着くと黒板に『自由席』と書かれていた。
縦7席、横5席に配置された机で空席は1番前の2.3.4列目しか空いていなかったので、仕方なくそこに座る。
座ってから5分もしないうちにチャイムがなり、その音と同時に教師が2人入ってきた。
「は〜い!みんなおはよう!初めまして、今日から君たちの担任をすることになりました。技術·家庭教えています!
上杉先生は肩くらいまでの黒髪で背は少し低いがスタイルはよく、パリコレなどで『絶対に着ないけどカッコイイ』服を着ている。
「初めまして、今日からこのクラスの副担任になった後藤だ。普段は化学を教えている。この学校に来て3年目になる。分からないことがあったら聞いてくれ」
後藤先生は短髪で背は高く『スーツが似合う男』と言われたら1番にこの人が出てきそうなくらいにスーツが似合っていた。
2人の紹介が終わると上杉先生は1度教室を見渡した。
「
「お久しぶりです」
「明空ちゃんはクラス代表目指すの?」
「いいえ、私はサポーターになろうと思っています!」
「
さっきまで笑顔だった先生に、笑顔はなかった。
「そう…」
そう言うとつまらない顔をした。
「三谷慧くん!」
まさか自分が当てられると思っていなかったので少し大きな声で返事をしてしまった。
「慧はクラス代表を目指すの?」
「はい」
「それは輝音ちゃんの指示?」
「違います」
「そしたら
なぜ、先生はこんなに知っているのだろうか…
「横の2人はお友達?」
「はい」
「君たち、凄かったね!自転車って本気でこげば、あんなにもスピード出るんだって今日初めて知ったよ!」
あれを見られていたのは恥ずかしい…
「遅刻ギリギリだったんで…」
「まぁ、輝音いつも遅刻ギリギリだからね!明日からは竹流と来た方がいいよ!」
そう言うとチャイムがなった。、
「チャイムがなったけど、続けるね!次の時間は入学式なんだけど、映像で入学式をやるんだけど、あれ長くて私は嫌いなの…だから今から終礼します!終わったら帰ってもいいよ!」
そう言い終えると先生は両手をパンと叩いた。
「はい!起立〜!じゃぁまた明日!バイバイ〜!」
そう言って生徒に帰るように促した。
少し時間が経っても数名の生徒は教室に残っていた。
何をする訳でもなく、ただただ静かに座っていた。
そんな中、上杉先生は口を開いた。
「もし、映像を見たいのなら私の後についてきて」
そう言われると残っていた生徒は先生の後をついて行った。
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