アイスクリーム(5)
自信なさげに座り、うっすらと氷をつけたカップアイスに手を伸ばした。手にとってそれを眺めるとアイスの赤文字の「ス」の字を氷が隠していた。思わず笑みがこぼれた。
「欲しかった 。」
そっと蓋を開けると中身は恐ろしいぐらい綺麗に空っぽで真実と現実を突きつけられたような、雷を落とされたような感覚が全身を襲い、カタンと音がしたかと思うと空のカップアイスを落としていたことに気がつくと同時に、自分の拳が怪我していることに初めて気がついた。
アイスクリーム 赤谷レイナ @akaya
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