「月」
月について調べてみました。
(なお、ここの出典は、デジタル大辞泉または 日本国語大辞典です。一部改変しています)
あ
暁月夜(あかつきづくよ・あかときづくよ)
夜明け方に出ている月。有明の月。あかときづくよ。
「夜深き―の、えもいはず霧(き)りわたれるに」〈源・賢木〉
朝月(あさづき)
明け方に空に残っている月。朝の月。朝月夜。月痕(げっこん)。
※尾張国熱田太神宮縁記(鎌倉初か)「汝が着せるおすひの上に、阿佐都紀(アサツキ)の如く月立ちにけり」
朝月夜(あさづくよ・あさづきよ)
1.月が残っている明け方。
2.明け方の空に残っている月。有明の月。
天満月(あまみつつき)
満月の別名。「空いっぱいに光輝く月」という意味。
雨夜の月(あまよのつき)
雨の降る夜の月。(雨雲の上に隠れた月のように)あっても見えないもののたとえ。
有明・有明け(ありあけ)
1.陰暦の16日以後で、夜が終わってもまだ月が有る夜明け。また、その月やその空。
2.(後世は、月の存在にかかわらず)夜明け方。
3.夜明けまで、夜通しつけておく行灯(あんどん)である「有明行灯(ありあけどんどん)」の略。
有明の月(ありあけのつき)
夜が明けても、まだ空に残っている月。有明月(ありあけづき)。「有明」は、明け方のこと。
十六夜の月(いざよいのつき)
陰暦(8月)16日の夜の月。陰暦16日の月は満月の翌日で、満月よりも遅く、ためらうように出て来るのでいう。「いざよう(猶予う)」は、「ためらう」という意味。
亥中の月(いなかのつき)
陰暦20日の夜の月。亥中(今の午後10時ごろ)のころ東の空に昇るからいう。更待月(ふけまちづき)。二十日月(はつかづき)。
居待ち月・居待月(いまちづき)
陰暦18日の夜の月。とくに8月18日の月。満月を境に月の出が次第に遅くなり、立ち待ち月(陰暦17日)より遅く、居待ち(座って待つこと)しているうちに出る月という意味。座待ち月(ざまちづき)。
雨月(うげつ)
1.陰暦8月十五夜の名月が雨で見えないこと。雨夜の月。雨名月(あめめいげつ)。
2.陰暦5月の異名。
烏兎(うと)
1.太陽と月のこと。「金烏玉兎(きんうぎょくと)」の略。金烏は太陽の異名、玉兎は月の異名。
2.また、太陽と月(日月)から「年月」「歳月」の意味でも用いる。
盈月(えいげつ)
満ちている月。満月。「盈」は、「みちる(盈ちる)」という意味。
煙月・烟月(えんげつ)
煙がかかったように、かすんで見える月。
偃月(えんげつ)
丸の半分が欠けた、半円形の月。半月。弓形の月。弦月(げんげつ)。弓張月(ゆみはりづき)。また、その形。
朧月(おぼろづき・ろうげつ)
春の夜などの、ボンヤリかすんだ月。
朧月夜(おぼろづきよ・おぼろづくよ)
春の夜などの、ボンヤリかすんだ月。朧月(おぼろづき)。また、そんな月が出ている夜。朧夜(おぼろよ)。
か
海月(かいげつ)
海上の空に出る月。海面に映っている月の影。
限り月(かぎりづき)
12月の異称。一年最後の月。師走。極月(ごくげつ)。限りの月(かぎりのつき)。果ての月(はてのつき)。
佳月(かげつ)
めでたい月。さえ渡った月。名月。「佳」は、「すぐれている」「美しい」「めでたい」などの意味を持つ。
下弦の月(かげんのつき)
満月のあとの、左半分が光る半月。満月から新月になる間の月。陰暦22,3日ごろの月。月の入り(西に沈むころ)には、弦が下方に見えることから。 ⇔ 上弦の月。
佳宵(かしょう)
月の美しい夜のこと。特に中秋の名月の夜をいう。秋
の季語。「佳」は、「すぐれている」「美しい」「めでたい」などの意味を持つ。「宵」は、夜のこと。
片月見(かたみつき)
8月十五夜の月見だけして、9月十三夜の後(のち)の月見をしないこと。縁起が悪いとして避けられた。
片割れ月・片割月(かたわれづき)
半月。弦月。
桂(かつら)
中国の伝説で、月にあるという想像上の木。転じて、月の異名。
寒月(かんげつ)
冬、寒い夜の月。冬の夜空にこうこうと冴えて、寒そうに見える月。
閑月(かんげつ)
冬などの、農事のひまな月。閑散とした月。
漢月(かんげつ)
天の川と名月。「漢」は天の川のこと。由来は、天の川に関する伝説が発達した漢水(中国にある川)の流域の、漢水の果ては空の天の川に続いているという伝説。
幾望(きぼう)
陰暦14日の夜。また、その夜の月。「望」は、満月を意味し、幾(ほとん)ど満月(望)に近いということ。
既望(きぼう)
陰暦16日の夜。また、その夜の月。「望」は、満月のことで、すでに望(満月) を過ぎたという意味。十六夜(いざよい)。とくに、8月についていう。
玉兎(ぎょくと・たまうさぎ)
月の異名。まるい月の中にウサギがすむという伝説から。太陽に住むカラス「金烏(きんう)」と対になっている。
玉輪(ぎょくりん)
月の異名。
金烏玉兎(きんうぎょくと)
1.太陽と月のこと。略して「烏兎(うと)」。金烏は太陽の異名、玉兎は月の異名。
2.また、太陽と月(日月)から「年月」「歳月」の意味でも用いる。
銀鉤(ぎんこう)
1.銀の鉤(かぎ[=何かを引っ掛けるもの])。たとえば、銀製の釣り針や、銀製のすだれかけ。
2.三日月の別名。その姿が銀の鉤(かぎ)に見えることから。
3.巧みな筆跡。その姿が銀の鉤(かぎ)に見えることから。
暁月(ぎょうげつ)
明け方の月。夜明けに残る月。「暁(あかつき)」は「夜明け」「明け方」のこと。
空明(くうめい)
1.清らかな水に映った月の影。
2.隠し事がないこと。何もなく明らかなこと。また、空中。
降り月(くだりづき)
陰暦18夜ごろから21、2夜にかけての、次第に欠けていく月。⇔ 上(のぼ)り月。
栗名月(くりめいげつ)
中秋の名月(十五夜)から約1ヵ月後の満月の直前、陰暦9月十三夜の月。その時期の旬である、栗を供えて月見をすることから、中秋の名月の異称「芋名月」に対していう。後の月。豆名月。
十三夜の月は満月よりも少しだけ欠けており、それはそれで趣きがあっていいとされる。
月華(げっか)
1.月と花。
2.月の光。月光。「華」は、「輝き」「光」を意味する。
月宮殿(げっきゅうでん)
月の世界にあるという宮殿。
月痕(げっこん)
明け方、ほの明りの中に残っている月の痕跡。夜明けの月影。名残の月影。
月食・月蝕(げっしょく)
太陽と月の間に来た地球の影が月を隠す現象。月が欠けて見える。月の一部が見えなくなることを「部分月食」、全部見えなくなることを「皆既月食」という。
桂月(けいげつ)
1.月の異名。古代中国の、月に桂の木が生えているという伝説から。
2.陰暦8月の異名。かつらづき。
傾月(けいげつ)
西の空に傾いた月。沈みかけた月。落月(らくげつ)。
月虹(げっこう)
月の光で見える虹。月の光によって生じる白色の虹。光が弱く色彩が淡いので、白く見える。白虹(はっこう)。
月夕(げっせき)
月の明るい夜。とくに、陰暦8月15日の夜。
月魄(げっぱく)
1.月の精。月神。「魄」は、「魂(たましい)」を意味する。
2.月。
月輪(げつりん・がちりん)
月の異名。とくに、満月。形が、輪のように円いところから。月の輪。
月露(げつろ)
1.月と露。
2.月の光が映っている露。
幻月(げんげつ)
月の左右に、別に月があるように見える現象。空中の氷晶による光の屈折で起こる暈(かさ)の一種。一見すると、月の隣に別の月があるように見える。太陽でも同じような現象が起き「幻日(げんじつ)」という。
弦月(げんげつ)
上弦または下弦の月。月の輝く部分を、弓とそれを張った
弦にたとえた。弓張月(ゆみはりづき)。
玄兎(げんと)
月の異名。
嫦娥(こうが・じょうが)
月の別名。中国神話にある、仙薬を盗んで月の中に逃げたという女の名が由来。古くは姮娥(こうが)と表記した。
姮娥(こうが)
月の別名。中国神話にある、仙薬を盗んで月の中に逃げたという女の名が由来。嫦娥(こうが・じょうが)とも表記。
江月(こうげつ)
河の上にかかる月。江上の月。
皓月(こうげつ)
明るく輝く月。明月。「皓」は、白く輝くさまを意味する。
孤月(こげつ)
孤独そうに見える月。ものさびしく見える月。
湖月(こげつ)
湖に映った月。また、湖上の月。
心の月(こころのつき)
悟りを開いた心。明らかで迷いのない心。心が清く明らかなことを、月にたとえていう言葉。心月(しんげつ)。
小望月(こもちづき)
望月(満月)の前夜の月。陰暦15日の夜の月。
さ
朔(さく)
1.月が太陽と同じ方向にある瞬間。地球、月、太陽の順にまっすぐ並んだ瞬間。月齢が「0」になった瞬間。このとき、地球から月の方角を見ても、太陽の光は月の裏側に当たっているだけで、月は暗くて見えない。新月。 ⇔ 望(ぼう・もち)。
2.陰暦で、1を過ぎたころ、西の空に見える細い月。陰暦で、その月の初めて見える月。朔(ついたち)。朔日(ついたち)。
3.古代中国で、天子が諸侯に与えた翌年の暦と政令。
朔望(さくぼう)
新月と満月。陰暦の1日と15日。「朔」は陰暦の一日、「望」は陰暦
の十五日のこと。
山月(さんげつ)
山上に出た月。山にかかった月。
残月(ざんげつ)
夜が明けても、まだ空に残っている月。有明の月。
三五の月(さんごのつき)、三五夜の月(さんごやのつき)
十五夜の月。とくに、陰暦8月15日の夜の月。中秋の名月。三五夜(さんごや)の月。3と5の積が15となるところから。
下の弓張り(しものゆみはり)
満月から新月になる間の月。下弦の月。
斜月(しゃげつ)
斜めに照らす月。西に沈もうとする月。
秋月(しゅうげつ)
秋の夜の月。
上弦の月(じょうげんのつき)
新月のあとの、右半分が光る半月。新月から満月になる間の月。陰暦7,8日ごろの月。月の入り(西に沈むころ)には、弦が上方に見えることから。 ⇔ 下弦の月。
十五夜(じゅうごや)
1.陰暦の15日の夜。満月の夜。
2.陰暦の8月15日の夜。1年の中で最も空が澄み渡って、月が明るく美しいとされていた日の満月の夜。平安時代から観月の宴が開催され、江戸時代から収穫祭として広く親しまれるようになった。仲秋。秋の半ば。
初月(しょげつ)(しょげつ)
1.一月の異称。
2.最初の月。第1回目の月。
3.陰暦で、その月に初めて出る月。
初弦の月(しょげんのつき)
陰暦で初旬の弓形の月である、上弦(じょうげん)の別名。
十三夜(じゅうさんや)
1.陰暦13日の夜。
2.陰暦9月13日の夜。中秋の名月(十五夜)から約1ヵ月後の満月の直前の夜。栗
名月(くりめいげつ)。
十三夜の月は満月よりも少しだけ欠けており、それが趣があって、それはそれでいいとされる。
十七夜(じゅうしちや)
1.陰暦17日の夜。
2.陰暦8月17日の月。立ち待ち月。
初魄(しょはく)
三日月の別名。「魄(はく)」は、月の光の当たらない部分(影)のこと。
祥月(しょうつき)
人の死後一周忌以降にめぐって来た、故人の死んだ月と同じ月。命日の月。
初三の月(しょさんのつき)
月の初めの第3日目、または、月の初めの3日間の月。三日月。新月。
心月(しんげつ)
悟りを開いた心。名月のように澄みきって明らかな心。心の月。
新月(しんげつ)
1.月が太陽と同じ方向にある瞬間。地球、月、太陽の順にまっすぐ並んだ瞬間。月齢が「0」になった瞬間。このとき、地球から月の方角を見ても、太陽の光は月の裏側に当たっているだけで、月は暗くて見えない。朔(さく)。
2.陰暦で、1を過ぎたころ、西の空に見える細い月。陰暦で、その月の初めて見える月。また特に、陰暦8月3日の月。
3.東の空に昇ったばかりの月。
水鏡(すいきょう)
1.水面に物の影が映ること。また,鏡のように水面に姿を映して見ること。 みずかがみ。
2.月の異称。
青月(せいげつ)
青白く見える月。
「―の光凄(すご)く」〈樗牛・滝口入道〉
霽月(せいげつ)
雨が上がったあとの月。転じて、曇りがなくって、さっぱりとした心境。
繊月(せんげつ)
細い形の月。三日月などの総称。「繊」は、訓読みで「ほそ(い)[=細い]」とも読める。
素月(そげつ)
1.白く冴えた月。光の明らかな月。明月。「素」には、ありのままという意味がある。
2.陰暦8月の異名。空が澄んで、月を見るのに最適。
空の鏡(そらのかがみ)
澄んだ月を、鏡に見立てていう言葉。とくに、秋の名月。
た
田毎の月(たごとのつき)
狭い田がたくさん並んでいる一つ一つにうつる月。とくに、長野県の姨捨山(おばすてやま・うばすてやま)の山腹に並ぶ田にうつる仲秋の月が有名。田毎月(たごとづき)。
黄昏月(たそがれづき)
たそがれ(夕やみ)時に、しばらく見える月。陰暦3、4日ごろの夕方の月。黄昏は、暗くなって顔の区別ができないので、「誰そ彼(たそかれ)」つまり「お前は誰か」と尋ねるのが由来。
立ち待ち月・立待月(たちまちづき)
陰暦17日の夜の月。とくに、陰暦8月17日の夜の月。十六夜(いざよい)の月よりも遅く、夕方、立って待っている間に出る月という意味。
潭月(たんげつ)
よどみに映っている月。「潭」は、川などで底がよどんでいる場所のこと。
淡月(たんげつ)
光の淡(あわ)い月。薄くかすんだ月。おぼろ月。
月朧(つきおぼろ)
春の月がボンヤリ霞んで見えること。おぼろ月。
月影(つきかげ)
1 月の形。月の姿。月。《季 秋》「―をくみこぼしけり手水鉢/立圃」
2 月の光。月のあかり。月光。「淡い月影」
3 月光に照らされて映る人や物の姿。
「ほのかなりし―の見劣りせずは、まほならむはや」〈源・橋姫〉
月の周囲にあらわれる光の輪。月の暈(かさ)。月の輪。月の光が、細かい氷の結晶からできている雲に反射・屈折して起こる。
月形(つきがた)
半月の形。半円の形。弓張月の形。
月代(つきしろ、さかやき)
1 月のこと。「五つ時の空には地上を照らす―とてもない」〈藤村・夜明け前〉
2 「さかやき」に同じ。。
月立つ(つきたつ)
1.月が昇る。月が出る。
2.(暦)月が改まる。新しい月になる。
月の入り(つきのいり)
月が西の地平線に沈むこと。また、その時刻。⇔月の出。
月の出(つきので)
月が東の地平線から昇ること。また、その時刻。⇔月の入り。
月の宴(つきのえん)
月を鑑賞しながら催す宴。月見の宴。観月(かんげつ)の宴。
月の鏡(つきのかがみ)
1.晴れわたった空に浮かぶ満月。明るく照る月を、鏡にたとえていう言葉。
2.月を映した池の水面を、鏡にたとえていう言葉。
月の桂(つきのかつら)
古代中国で、月に生えているとされる木。桂(かつら)。月桂樹。
月の客(つきのきゃく)
月見をしている人。月を眺めに出て来た人。月見の客。「客」は「人」を意味する。
月の氷(つきのこおり)
1.澄み渡って氷のように見える月。月の光が氷のようであること。
2.月の光が氷にうつってきらめくさま。
月の頃(つきのころ)
月の眺めのいいころ。満月の日の前後数日をいう。
月の雫(つきのしずく)
1.露の異名。
2.山梨県の名産品の一つ。ブドウの実に白砂糖の衣をかけた菓子。
月の霜(つきのしも)
月光が冴えて地上を白く照らすのを、霜にたとえていう言葉。
月の剣(つきのつるぎ)
三日月の異名。形が剣に似ているところから。
月の名残(つきのなごり)
陰暦9月十三夜の月の異名。後(のち)の月。中秋の名月の後、秋の月の最後の月という意味。
月の眉(つきのまゆ)
三日月の異名。形が人の眉に似ているところから。
月の都(つきのみやこ)
1.月の世界にあるという宮殿。月宮殿(げっきゅうでん)。また、月世界。
2.都の美称。
月の輪(つきのわ)
1.月。とくに、満月。月輪(げつりん)。
2.満月の輪郭。また、そのような形のもの。わら製の釜敷(かましき)、袈裟(けさ)につける飾り物、釣り花瓶など。
3.ツキノワグマのノドにある、三日月形の白い毛。
月白・月代(つきしろ)
月が出るとき、東の空が白んで明るく見えること。
月映え(つきばえ)
月の光に照らされて、美しく映える(引き立つ)こと。
月の船(つきのふね)
月のこと。大空を海にみなして、月が空を行くさまを、漕ぎ行く船にたとえていう言葉。
月人(つきひと)
月の異名。月を擬人化していった言葉。月人男(つきひとおとこ)。
月人男(つきひとおとこ)
月の異名。月を擬人化していった言葉。月人(つきひと)。
月見(つきみ)
1.月の美しさを、見て楽しむこと。とくに、陰暦8月十五夜の中秋の月、9月十三夜の後(のち)の月を観賞すること。観月(かんづき)。
2.かけそばやかけうどんに卵を割って落としたもの。卵黄を月に見立てていう。月見そば。月見うどん。
月見ず月(つきみずつき)
陰暦5月の異名。五月雨(さみだれ、梅雨)で月が見えないからいう。
月夜(つきよ・つくよ)
月のある夜。月の明るい夜。また、月。月の光。⇔ 闇夜(やみよ)。
月夜烏(つきよがらす)
月の明るい夜に浮かれて鳴く烏。また、夜遊びに浮かれ出る人のたとえ。浮かれ烏(うかれがらす)。
晦(つごもり・つきこもり・つきごもり)
1.陰暦で、月の最後の日。月末。みそか。
2.陰暦で、月の下旬。
「月隠り(つきこもり・つきごもり)」が転じたもの。
月夜見・月読み(つくよみ・つくよみ)
1.月の異名。
2.月の神。
な
半ばの月(なかばのつき)
1.半円形の月。半月(はんげつ)。
2.陰暦15日の夜の月。十五夜。とくに、中秋の名月。
名残の月(なごりのつき)
1.夜明けの空に残っている月。有明の月。残月(ざんげつ)。
2.陰暦九月十三夜の月。(陰暦8月十五夜の月を初名月というのに対して、)その年最後の観月。 後(のち)の名月。
夏の月(なつのつき)
夏の夜の涼しい感じの月。
二度の月(にどのつき)
8月十五夜の月見と、9月十三夜の月見。関東地方では、片方だけの月見をすることを片月見と呼び、縁起が悪いとして避けた。
寝待ち月・寝待月(ねまちづき)
陰暦19日の夜の月。とくに8月19日の月。満月を境に月の出が次第に遅くなり、居待ち月(陰暦18日)より遅く、寝て待っているうちに出る月という意味。臥待月(ふしまちづき)。
後の月(のちのつき)
陰暦9月十三夜の月の異名。中秋の名月の後、秋の月の最後の月という意味。月の名残。豆名月。栗名月。
残りの月(のこりのつき)
明け方、まだ空に残っている月。残(のこ)んの月。名残の月。残月(ざんげつ)。
後の月見(のちのつきみ)
陰暦9月十三夜の月見。8月15日の仲秋の月見に対していう。
上り月(のぼりづき)
新月から満月に近づいていく月。⇔ 降(くだ)り月。
は
初月(はつづき)(はつづき)
陰暦で、その月の初めに見える月。朔(さく)のあと初めて見える月。とくに、陰暦8月初めの月。
白月(はくげつ)
白く輝く月。明るい光を放つ月。冬の月。明月。びゃくげつ。
二十日月(はつかづき)
陰暦20日の夜の月。亥中の月(いなかのつき)。更待月(ふけまちづき)。
初名月(はつめいげつ)
陰暦8月15日の夜の月。9月13日の後(のち)の月に対していう。里芋を月に供えるから芋名月ともいう。
果ての月(はてのつき)
12月の異称。一年最後の月。師走。極月(ごくげつ)。限り月(かぎりづき)。
春の月(はるのつき)
春の、いくらかボンヤリとしてほのぼのした風情の月。
半月(はんげつ)
半円の形の月。弦月(げんげつ)。弓張り月。
眉月(びげつ・まゆづき)
女の眉のような形をした月。三日月。
氷輪(ひょうりん)
氷のように冷たく輝く月。冷たく冴えた月。
風月(ふうげつ)
1.風と月。心地よい風と美しい月。
2.心を和らげるものとしての、自然界の風物。自然に親しんで、風流を楽しむこと。
更待ち月・更待月(ふけまちづき)
陰暦20日の夜の月。とくに8月20日の月。満月を境に月の出が次第に遅くなり、夜が更けるころに昇ってくる月という意味。二十日月(はつかづき)。亥中の月(いなかのつき)。
臥し待ち月・臥待月(ふしまちづき)
陰暦19日の夜の月。とくに8月19日の月。満月を境に月の出が次第に遅くなり、居待ち月(陰暦18日)より遅く、臥(ふ)して待っているうちに出る月という意味。寝待ち月・寝待月(ねまちづき)。
二夜の月(ふたよのつき)
陰暦8月十五夜の月と9月十三夜の月。とくに、9月十三夜の月。ともに名月として観賞する。
冬の月(ふゆのつき)
冬の夜、さむざむとして照る月。
片月(へんげつ)
半円の形の月。片割れ月。弓張り月。弦月。
星月夜(ほしづきよ・ほしづくよ)
月が昇っていない星明りだけの夜。星の光が月のように明るい夜。
ま
待宵(まつよい)
陰暦8月14日の夜。または、その夜の月。小望月(こもちづき)。翌日の十五夜の名月を待つという意味。
窓の月(まどのつき)
窓にさし込む月影。
豆名月(まめめいげつ)
中秋の名月(十五夜)から約1ヵ月後の満月の直前、陰暦9月十三夜の月。その時期の旬である、大豆を供えて月見をすることから、中秋の名月の異称「芋名月」に対していう。後の月。栗名月。
十三夜の月は満月よりも少しだけ欠けており、それはそれで趣きがあっていいとされる。
真夜中の月(まよなかのつき)
陰暦二十三夜の月。真夜中に出るところから。
蜜月(みつげつ)
1.結婚して間もないころ。結婚した当月。蜜のように甘い一ヶ月から。ハネムーン(honeymoon)。
2.親密な関係にあること。
三日月・朏(みかづき)
陰暦で、その月の三日前後の夜に出る、弓形の細い月。また、その形。月齢2日あたりの月(月齢は0から始まるので、陰暦3日は月齢2日になる)。広義には、月の終わりのころの細い月も指す。細い形が眉に例えられることも多い。「朏」は、「初めて姿が見え出した月」が語源。
無月(むげつ)
空が曇って月が見えないこと。とくに、陰暦8月15日の夜の月についていう。
明月(めいげつ)
1.曇りなく澄みわたった月。とくに、満月。
2.名月。
孟月(もうげつ)
孟春・孟夏・孟秋・孟冬の総称。「孟」は、四季の初めを意味する。
望の月(もちのつき)
満月。陰暦十五夜の月。特に、陰暦8月の十五夜の月。望(ぼう・もち)。望月(もちづき)。
最中の月(もなかのつき)
陰暦十五夜の日。満月。ちなみに、和菓子の最中(もなか)は、満月をかたどったところから。
望月(もちづき)
満月。陰暦十五夜の月。特に、陰暦8月の十五夜の月。望(ぼう・もち)。
や
厄月(やくづき)
厄難(やくなん)にあうから、万事を慎むべきであるとする月。また、厄難の多い月。
夜月(やげつ)
夜の月。
夕月(ゆうづき)
夕方の空に見える月。宵月(よいづき)。
夕月夜(ゆうづきよ・ゆうづくよ)
1.夕暮れに、空に出ている月。
2.月が出ている夕暮れ。
弓張り月・弓張月(ゆみはりづき)
弓に弦を張ったような形の月。弓形の月。月の輝く部分を、弓とそれを張った弦にたとえた。上弦・下弦の月。弦月(げんげつ)。
宵月(よいづき)
宵(日が沈んで間もないころ)の間だけ出ている月。特に、陰暦8月の2日から7日ころまでの月。夕月。
宵月夜(よいづきよ)
宵(日が沈んで間もないころ) の間だけ月のある夜。特に、旧暦の8月2日から7日ころまでの夜。また、その月。夕月夜。
ら
落月(らくげつ)
西に沈もうとしている月。。西に傾く月。
蘿月(らげつ)
蔦葛(つたかずら)の葉の間に見える月。
亮月(りょうげつ)
亮(あき[=明])らかな月。曇りなく澄みわたった月。また、その光。明月。「亮」は訓読みで「あき(らか)」と読める。
良宵(りょうしょう)
晴れて心地いい宵(=夜)。よい晩。また、十五夜のこと。
涼月(りょうげつ)
1.涼しげに感じる月の光。
2.陰暦7月の異称。
弄月(ろうげつ)
月を眺めて楽しむこと。「弄」は「もてあそんで楽しむ」という意味。
朗月(ろうげつ)
朗(あき)らかな月。明るく澄み渡った月。
わ
湾月・彎月(わんげつ)
湾曲している月。上弦または下弦の月。弓張り月。弦月(げんげつ)。
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