エピソード0:タケノコ狩りに行こう。10

この時、頭が逆さで血の巡りが良かったのか、はたまた農家への怒りで頭に血が昇った所為なのかは知らないが、光明が見えた気がした。










 光明は地面の膨らみだった。


 光明は自身を掴む青竹の手(?)と上下の揺れだった。


 光明は大きく開いた口だった。










 地面にある膨らみ。俺の真上(下の地面)には明らかにタケノコとは違う地面の膨らみが有った


それは竹の葉で隠れていたが、多分、俺の頭ほどの大きさの石であった。






 俺の体重を支え切れていないのか、竹は足を掴んで離しはしないが、それでも手が曲がって俺は地面に近付いたり離れたりを繰り返していた。


 体を揺らせば地面に手が届きそうだった。






 大きく開いた口はそれでも、太い青竹の口なので、植物性の牙を持ち、大きいと言ってもカバの様な大きさではなく、俺の頭位の大きさだった。


 流石に鉱物をかみ砕き、粉砕するような高性能粉砕機レベルのスペックは無さそうだった。








 「試してやろうじゃねぇの!」


 生きる道を、自分の道を切り拓くべく、俺は行動した。






 先ず、身体を大きく揺らし、青竹の手を、俺を吊っている手をたゆませた。









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