エピソード0:タケノコ狩りに行こう。7
ん?
血液が逆流しすぎたかな?
気が遠くなったかな?
『お疲れぇ。もう良いよぉ。』
そう聞こえた。
「助けて下さいって言ったんです!もう良いも何も、動けないんです!助けて!これ、じゃれてる訳じゃないんでしょ!」
「あぁ………そうさぁ。お前は今ぁ、喰われかかっているぅ。
タケノコ、というか、竹の習性だぁ。
竹は何もしなければ大人しいぃ、タケノコも然りぃ。が、しかし、タケノコ狩りをしたら話は別ぅ。
タケノコを狩るとその親……地下茎で繋がった竹がぁ、動き始めるぅ。
タケノコはぁ、地下茎でぇ、周囲の竹とぉ、地下で繋がっているぅ(農林水産省サイトを参考)。
竹は獰猛で厄介ぃ。ただぁ、一度に襲う相手は一人だけ。」
あー…………そういや、家の床からタケノコニョキってなって大変な事になったとか、言う話を聞いたり、危険植物図鑑みたいな本に出てたな。竹って。
じゃねぇ!
俺、囮にされてんじゃァねぇか‼
前話見た奴は大体気付いただろうが、俺は今やっと気づいた。
俺はタケノコ狩りの狩人役ではなく囮役として雇われていた!
しかも、『お疲れぇ。もう良いよぉ。』と来たもんだ。
俺……用済みって事かよ……………………………。
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