船越さんに感謝!
この二人が襲われていたのはだだっ広い草原。しかも、草の背丈の低い草原だった。
そして、俺が寝かしつけた盗賊達が倒れていた時、後頭部はそこから見えていた。
もし、そこら辺に盗賊が潜んでいたのなら従者は直ぐに気付いて引き返すことが出来たはずだ。
「ま、魔法だ!魔法で姿が見えなかった!だから………」
おぉ、反論するか。
魔法か……。推理小説に原則そんなモン出ないからなー……。
だが、問題ない。
「じゃぁ何であいつらは俺との戦闘でそれを使わなかった?」
言葉に詰まる。
「姿が見えない魔法を奴らが使えたなら、あいつらは俺に対してそれを使った筈だ。
飛び道具相手に姿が見え無ぇってのは大きなアドバンテージになるからな。」
ぶっちゃけ、そんなモノが有ったら俺は詰んでいただろう。
「それをやんなかったのは何故か?使えなかったって考えるのが自然。つまり、お前が奴等とグルだってのは手前の間抜け発言で証明してんだよ!」
正直、透明魔法の原理は知らん。
もしかしたら発動に時間が掛かるのかもしれない。
そうも考えた。
にしても、あの状況は不自然極まりない。
多分クロだ。
なにより、向こうは今まさに追い詰められてその場凌ぎの弁解を繰り返している。
ここが崖っぷちで俺が英一郎なら自白し始める頃だ。
もっともらしい理論を突きつけて止め刺したんだ。もうそろ諦めてボロを出すだろう。
「ッ。気付かれたら仕方ない。」
慌てふためいていた従者の顔が変った。
ビンゴ。賭けに勝った。
グラッツェ!!英一郎さん!
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