5³なガンナー

 ガラケーが折れた。


 ガラケーの折りたたむ部分が片方パキっとなって壊れた?


 「ヤベ!」


 アカン感じに折れた。アクション映画で首をへし折られた悪役のように……。


 「どうしよう?」


 向うではすでに女の子がならず者に攫われかかっている。


 どうしよ………アレ?


 この状態。どこかで見た事が有る。


 携帯が「く」の字になってまるで銃のような形を成すこの形。


 もしや………


 ガラケーの上半分。首を折られて下半分を握ると腕のラインと平行になったその部分を銃の銃身に見立て、ならず者目掛けて狙いを定めて、


 パン!


 上画面の上部から何か光のようなものが出た。


 それは狙ったならず者に吸い込まれ、


 ガン


 ならず者を吹き飛ばした。


 矢張りそうだ。


 昔特撮のライダーが使っていた銃のように、二つ折り携帯が変形して銃になっている。


 おぉ、凄い。


 ガラケーの形状ならでは。良かった。スマホじゃなくて。




 そうこうしている内に吹っ飛んだならず者が起き上がり、周囲の奴等もこちらに気付いた。


武器を手にこちらに向かってくる。


その数20人弱。


こちらは1人。残弾数は79。


さっき撃たれた奴も健在。


これには殺傷力は無いみたいだ。


どう考えてもこちらは不利だな。


「がぁ、しかし、これ位のハンディ。どってこと無い!!


殺傷力0?丁度良い。殺して仕留めるのは楽だが、殺さず仕留めるのは強者のみの特権。


俺は強い!


チートぉ?んなもん自信過小な奴にくれてやる。


スマホぉ?要らん!何故なら頭脳がスマート(賢い)だから。」


そう言いつつ銃ガラケーを構える。


「逝かせてやんよぉ。十万億土の彼方までなぁ。」


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