チート感がねぇ!

「力を貸そうか?」


手元から声が聞こえた。


一瞬何事かと思ったが、何の事はない。電話だった。


メールを見たまま開きっぱだったから………あれ?


「圏外の電話に何故電話がかかって来る?」


そもそも、電話に出た覚えも、バイブの振動にも覚えがない。


それが何故スピーカー電話で話しかけている?


「吾輩はガラケー中継で君をこっちに連れ帰ったんだ。電話くらい余裕だ。」


「……お前、神か。」


「そのとーり。僕ちゃん。神様でーす。」


「切るぞ。」


「無駄無駄無駄無駄ぁ。今俺はほぼ君のガラケーの中に存在している。君がいくら電源を切ろうとしても某が切ろうとしないと…」


「今急ぎだ。後にし」


「犬死にしないで助けられる。」 ほんの少しだけ、動きが止まった。


「どうすれば良い?」


「簡単さ。後で僕を助けてくれれば良い。そしたら私に出来る範囲で君の力になろう。」


一瞬悩む。


たかが赤の他人の為に自称神の願いを叶えるなんて馬鹿げてる。 「解った。助けてやろう。」


「おや?意外。断ると思った。」


確かに馬鹿げてる。が、


「目の前の女の子見殺しにする方が馬鹿げてるからな!!」


「ヒュー!漢だねぇ!!」


「やかましい!さっさと寄越せ。さもなくばお前を助けた後で即刻お前を絞め殺す。」


「おー怖。じゃっコレ。」


ブーン


携帯が振動して、画面が見たこと無い物に変化した。






>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>


使用可能機能:




・ガラケーショット


ガラケーを銃に変形、魔力を変化させた弾丸を撃ち出す。


消費MP:0.1




・ファイアウォール


受動機能。攻撃の自動防御。


消費MP:0


>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>






機能、少なっ!!&地味!!チートねぇの?


「今僕に出来るのはこれだけさ。あとは君の成長次第。小生はもう限界なので切る。あ、あと、今の君に撃てる弾数は80だからね。」


電話が切れた。


80発?てか、どうやって使うんだ?


とにかくガラケーショットなるものを選択した。

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