デミウルゴスと幼女と執事

_____初めてデミウルゴスは、幼女と目の高さを合わせるためにしゃがんだ。

そして、とても嬉しそうに幼女に伝える。

「人間よ、やっとあなたと離れることが出来ます!こんなに手間がかかるとは思いませんでしたが、良い勉強になりました。ありがとうございます」

大人だったら、きっとイラっと腹が立つ事を当たり前に話すデミウルゴス。


「るるる~かえるさん、帰っちゃうの~?いや~遊びたい~!」

せっかく一人で遊び始めて落ち着いたのに、幼女はデミウルゴスのせいで不機嫌になる。

「いやだ~かえるさんとまだ遊びたい!遊びたい!遊びたい!いやだ~うわああああああん!!」


幼女が泣き始めることによって、街行く人の注目を再び集めるデミウルゴス。

「ふう~ただお礼を申し上げただけなのに、泣かれるなんて意味が分かりませんね。早くセバスは来ないのですか・・・無理やり連れてくればよいものを・・・」


イライラしているデミウルゴスと幼女は、注目を集めてしまったので、街中の路上から公園がある方向へ向かうことにした。

「たしか人間が何もしないための場所、(公園)というものに集まると聞いたことがあるのでそちらに行ってみましょうか。」

なんだかんだ言って任務完了したい性分なので、人間探しは続けることにした。


そして、デミウルゴスは泣いて暴れる幼女を、荷物のように持ち上げて歩き始めた。



そして、セバスはその頃・・・・

執務室から移動して、ツアレがいるであろうキッチンに向かう。

(確か今日は料理長と調理の練習だったはずです・・・)


キッチンに行くと、ツアレとペストーニャがいた。

「こんにちは、ペストーニャとツアレ。料理長はいらっしゃいますか?」

調理台で二人は何やら小麦粉らしいものをこねて、パンを作っているようだった。


「あら、セバス!料理長はアインズ様と、次回エンリ様とンフィアーレ様、ネム様との晩餐会の打ち合わせで席を外してるワン」

手が小麦粉まみれのペストーニャが答えた。

「そうですか、分かりました。ツアレも調理の練習はいかがですか?何か困っていることはありませんか?」

優しいまなざしでツアレに話しかける。


「・・・・あ!セバス様!・・大丈夫です!小麦粉こねたりするのがうまく出来なくて大変ですが、調理はとても楽しいです!セバス様、お気遣いありがとうございます!」

調理に集中してしまい気づくのが遅れたツアレは少し慌てた。

「それは良かった。ツアレ、調理で何か困ったことがあれば、いつでも周りの皆様を頼るのですよ。」

セバスはツアレが嬉しそうな様子を見て、一緒に喜んだ。

「はい!セバス様」

ツアレもにっこり笑顔で応えた。


そして、二人が幸せそうで何よりなのだが、ペストーニャが話す。

「セバス様、何かツアレに用事があるのではないでしょうか?」


「そうでした。忙しいところ恐縮ですが、ツアレにお願いしたいことがあります。よろしいでしょうか?」





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