デミウルゴスと幼女とペット

幼女はお腹が空いてぐずり始めてきて、いなすことが面倒くさくなったのでデミウルゴスは対応を急いでいた。

(アインズ様の話が無ければ、必要のない人間はすぐ殺しているのですが)


「メッセージ。セバス、君に頼みたいことがあるのだが今よろしいかな?」

「おや、珍しいですね、デミウルゴスからお話があるなんて」

セバスはナザリック地下大墳墓内の執務室で、事務仕事をしていた。


「誠に不本意ですが、協力をお願いしたいことがあります。セバス」

デミウルゴスの顔は本当に不本意なため、悔しさでゆがんでいた。

「何でしょうか?私にできる事なら致しますが、ご用件を教えて頂けますか?」

セバスは事務作業中の手を止めて、話を聞く。


「実は、ある人間の対応に困っています。私の代わりにセバス、貴方が話を聞いてください。よろしくお願いします」

何で悪魔の自分が、人間の為に動かなきゃいけないんだ!という怒りも込めて、話す。


「デミウルゴスという方であろう人が、人間との交渉に悩むなんて・・・良いでしょう。私が対応してみましょう。どんな人間か情報を頂けませんか?」

セバスはてっきり王族や貴族の人間との交渉に困っているのだと思っていた。


自分で頼んだ事だが事実を言うのが嫌だったデミウルゴスは、言葉少なめに伝える。

「幼女だ」

「!?・・・・幼女というのは人間の子供ですよね?・・・不思議な話です・・・状況が呑み込めませんが、出来る限り対応致しましょう。」

予想外の答えに戸惑うセバス。

(人間の女性という生き物は色々事情があるのですね・・・)


「そして、セバス。お前のペットを連れてくることは可能なのかな?」

「ペット・・・仮メイドのツアレの事でしょうか?もちろん可能ですが、ツアレに何をさせるおつもりで?」

ツアレの名前が出た途端、セバスの語気が強めになる。


「そんなに怒らないでおくれ、セバス。何か野蛮なことをさせようとは思ってないんだ。ただ人間と話して、人間を私から離れさせてくれたら良いのですよ」

セバスの定番の反応が見れて、少しスッキリしたデミウルゴス。

「そうでしたか、ではツアレには何も危険が無いように安全策を講じた上で、参加させることにします。それで良いですね?デミウルゴス?」

「もちろん、構わないとも」

にやりと笑うデミウルゴス。





_____セバスとの交渉が終わり、後はペットの人間が来るのを待つだけだ。

「人間は、羊皮紙しか役割がないかと思っていましたが、こういう使い方も良いかもしれませんね」

少し人間の使い道を覚えたデミウルゴスだった。


その間幼女はというと、しゃがんで地面に絵を描いていた。

「るるるる、この絵はかえるさんで、これは私なの~るるる~」

やっぱりデミウルゴスのお話は聞いてなかった。



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