ゴーレムVS未来の  パーティー6

 「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」


 ヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイ‼










ドカン!                 カッ!


バカン!


パン!               ドガン


        ドン!    ゴー!


     ゴン!


             バン




 ピシッ!              ドン!


         バシン!              


                               ビシン


             ガン!








 雨が降って雷が落ちる。ではなく、雷が降って雨が落ちる。


 ブレイを中心に、というか、ブレイを狙うように雷が襲い掛かって来る。


 ブレイが走れば紫電はそちらを追いかける。


そこらの魔法では太刀打ちできない様な圧倒的高電圧の光槍がブレイを刺し貫きに来ている。


しかし、それでもなぜか、当たったように見えても雷は弾かれる。






 雷魔剣ライトニングロッド。


 避雷針ライトニングロッドの通り、賢者の言った通り、正に雷を呼ぶ魔剣であった。


 無論、この雨は魔剣の効果によって降ったものである。


 雷もそうだ。






 そんな訳でブレイの持つ魔剣が上昇気流を吐く以上、雷を引き寄せる以上、雨は降り続け、雷は落ち続ける。






 ゴゴゴゴ ゴ ゴゴ……………ゴ・ゴ………………………






 無論、雷は落ち続けてはいるが、良い事も有った。それはゴーレムだった。


 さっきから逃げ惑うブレイを追いかけ、何度も雷の巻き添えを喰らい、強敵が今や壊れかけのラジオの様である。


 しかし、さっきも言った通り、それどころではない。


 「マリッシアー!止め方教えて‼‼」


 絶叫してはいるが、雷で全然聞こえない。




 この魔剣の恐ろしい所。


 それは納刀に有る。


 本来ならば刃を納めれば剣は安全である。


 ライトニングロッドも刃を仕舞えば風の刃に関しては安全を約束される。




 しかし、雷は別だ。


 魔剣に作り出されたとはいえ、あれ自体は魔剣の直接の能力の範疇ではない。


つまり、操作が出来ない。


 納刀しても雲は消えず、雷はしばらく続く。




 ブレイが先程から感電して黒焦げにならずに済んでいるのは雷が辛うじて剣に当たっているからである。


 ライトニングロッドはブレイを守っている。


 もし、今、ブレイが刀を納めれば………………………………………………










ドカン!                 カッ!


バカン!


パン!               ドガン


        ドン!    ゴー!


     ゴン!


             バン




 ピシッ!              ドン!


         バシン!              


                               ビシン


             ガン!




 まず間違いなく死体は残らない。


 と、いう訳で、ブレイは剣を納めるに納められず、魔剣は相変わらず上昇気流を生み、雷を強大にし、その所為でブレイは剣を納めるに納められず、魔剣は相変わらず上昇気流を生み、雷を強大にし、その所為でブレイは剣を納めるに納められず、魔剣は相変わらず上昇気流を生み、雷を強大にし、その所為で…………………………………………雷雨だけが強大になり続ける無限ループに陥っていた。






 最早、雨音とか聞こえない。


 というか、雷の音しかない世界だった。








 「ブレイ!そのまま待ってて‼」


 マリッシアが声の限り叫ぶ。


 「テポン、ジョゴロー!大丈夫?」


 「ホォ、もう完全回復じゃ。」


 「急ぎましょう!あのままではブレイさんが!」






 ゴーレムは最早風前の灯火。


 同時にブレイも風前の灯火。








彼らのやることは決まっていた。




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