101 恋愛相談ver2②
ふぅ、ようやく落ち着いてきた。僕は水里さんを見る。
「着ていく服とか決めてるの?」
「うん、先週買いにいったからね。本当は月夜ちゃんの服も借りたりするのを考えたんだけど」
「太陽さんと山行った時のジャケットとか水里ちゃんから借りたんですよ」
ああ、そういえばそんなこと言ってたなぁ。
「サイズがちょっとねぇ」
「ああ、服のサイズはきついのに胸だけなんかゆるゆるみたいな」
「あ?」
し、しまった。つい口がゆるゆるに出てしまった。月夜が水里さんの服を着た時、ぶかぶかで胸だけきつそうだったからその反対を思ってしまったのだ。
「何で分かったの……。はっ! 月夜ちゃんの体型から私の体型を想像したな! すけべ!」
「あはは……」
その通りだけど、水里さんの体にはまったく興味がないよ。
「く、さては月夜ちゃんの体をしっかり堪能してやがるんだな! この体を弄んだのか!」
「ちょ、水里ちゃん!」
水里さんは月夜に覆いかぶさり、後ろから思いっきり胸を揉みしだく。目のやり場に困るからやめてほしいんだが。
「また大きくなったなこいつめ! 私だってDカップあるんだぞ! なのに……くそ! 太陽くんが大きくしたんだな」
「こ、こらー!」
残念ながら1回掴んだだけだよ。あとギリギリ一回失敗もあったか。揉めるんなら今すぐ揉みてぇよくそっ。
月夜は顔を紅くし、水里さんの魔の手から逃げようと水里さんの手をどけようとするが手つきがいやらしいのかなかなかうまくいかない。
しかし、水里さんは掴んだ両手を下に滑らせて、今度は月夜の脇腹を掴んだ。
「ひやあああああ!」
月夜をその刺激に叫び声をあげる。水里さんは構わず月夜の脇腹を揉み始めた。
「このくびれ……ほんとどうなってるの!? 何が違うの」
「や、やめて! く、くすぐったい、やだぁぁあ!」
構わず水里さんは月夜の脇腹を5本の指を使って、刺激を与えていく。超くすぐったがり屋の月夜には耐えきれないものだろう。
無理やり出された笑顔で顔が綺麗に歪む。月夜は必死に立ち上がって、逃げようと僕の椅子の方までやってきた。
「ちょ、もうやめてってばぁ!」
「うひひひ……笑顔がいいのぅ」
笑い方がおやじそのものだなぁ。月夜は僕に後ろを向け、くすぐってくる水里さんの手を払おうと必死で手を動かしていた。
月夜がさらに下がり、僕の体に当たる所まで来た時……僕の手はなぜか自然と……月夜の腋の下の方に伸びていた。
「きゃぁぁぁん!」
月夜は更なる刺激に過剰に暴れ、声をあげる。その隙をついて、水里さんは前から月夜の脇腹を狙った。
僕が後ろから腋の下を攻めて、水里さんが脇腹を攻める。月夜は笑い悶えていた。
「ふ、二人がかりとか……無理……ヒャハハハハ!」
10分後。
「ひっく……ひっく……なんで……泣くまでくすぐるんですか」
月夜が限界を超えて、泣き出してしまったのだ。
罪悪感が芽生える中……口には出せないが達成感が残った。
「月夜ちゃんがかわいいのがいけないんだよ」
とんでもねーこと言うなこの人。でも何というか気持ちが分かってしまうのが申し訳ない。
月夜が笑い悶えてる所って色っぽくて魅力的なんだよな…。
水里さんが僕を見る。
「女の子を泣かすなんてどうかと思う」
「水里さんてほんとクソみたいな性格してるよね。性格の悪い星矢とお似合いだよ」
「あれ? あんまり嬉しくない」
「ひっく……、くすぐられるの……苦しいし、つらいし、本当に嫌なんです……」
「ご、ごめんね、ちょっと調子乗りすぎた」
水里さんはあやすように月夜に言葉をかける。
「水里ちゃんにくすぐられるのは嫌……でも太陽さんならいい」
「ん?」
僕と水里さんは同じ言葉を発する。
「太陽さんにこちょこちょされると何か……ドキドキする」
「太陽くん、月夜ちゃんがドMに目覚めてるけどどうするの」
「どうもしないけど、僕のせいじゃない」
話が進まないので甘いものを注文して場を一度流すことにした。
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