3月9日 曇り後…… 「カトリーヌ失踪の原因」

3月9日 曇り後……


私はまずはカトリーヌちゃんがどうして失踪するのかを聞いてみた。


「カトリーヌちゃんはどこでいなくなるのかとか分かりますか?」


「はい。今思い返してみれば、いつもカトリーヌちゃんは大広間を私と散歩していたら、私の手から抜け出していなくなる事が多かったですわ」


大広間って言うとあのやたら金で統一されたあの場所ね。って言うか……いつもって事は……


「もしかして毎回そこで失踪して冒険者に依頼されるんですか?」


「はい。いつもそこでですわ」


いや!?分かってたなら伝えなきゃ!?って言うか!まずはそこを聞くべきなんじゃない!?私はそういう意味を込めてレイを睨むが、レイは無表情で吹けない口笛をしていた。私は軽く溜息をつき、次に聞くべき事を聞いた。


「カトリーヌちゃんはあの肖像画で間違いないんですよね?」


「えぇ、間違いございませんわ。有名な絵師に描いていただきましたもの!」


「という事は、カトリーヌちゃんは常にあの金のアクセサリーを身につけてるんですか?」


「えぇ、カトリーヌちゃんも私と同じく金が大好きですのよ!」


金が大好きなカエルってどうなんだろう……けど、これで私の一つ立てた仮説は外れだわ。大広間のあの金ピカぶりに驚いたから説を立てたんだけど、金が大丈夫なら違うわね。後でカトリーヌちゃんの部屋に行ったけど、そこも金ピカ部屋だったし……けど、部屋では普通にしていると従者達の証言も得ている。


となると、問題は大広間にありね。そうなると心当たりが一つだけあるわね。とりあえず、それを指摘するのはカトリーヌちゃんを見つけてからね。


「ありがとうございます。参考になりました。とりあえずはカトリーヌちゃんを見つけてからにします」


「よろしくお願いしますわ!!」


「ん。だとしたら急いだ方がいい」


これまで黙って聞いていたレイが窓から見える空の景色を見てそう呟いた。


「もう雨が降ってきてる」


レイの言う通り、窓にポツリポツリと雨粒がついていた……。

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