3月3日 晴れ 「魔法剣の威力」

3月3日 晴れ


この広い広い大草原にいるのは私とレイだけ……ではなかった。よく見ると、だいぶ離れた場所にスライムの大群がいた。しかも、そのスライム達はこっちに気づいたのかこっちに向かって来た。かなりスピードは遅いけど……


「ちょっ!?レイ!?スライムの大群が……!!?」


「エリス……!あのスライムの大群にさっき言った技を放ってみて……!」


なるほど。レイは私にこの魔剣の力を確かめさせる為にここに呼んだのね……けど、気になるのは……


「何でそんな離れた場所にいるの……!?」


レイは私の後方数mも離れた場所にいた。魔剣の力を確かめさせるならそんな離れる必要ないはずなんだけど……?


「いいから……!とにかくやってみて……!」


レイはとにかく私に魔剣の力を使ってみるように指示する。私は何やら不安を感じながらも、魔剣に自分の魔力を乗せ、思いっきり剣を振り下ろした。



そして、私は理解する事になる。何故レイは私から離れているのか?そもそも、何故レイは町の近くの魔物ではなく、何もない大草原に転移して確かめさせようとしたのかを……


スバババババァ〜ーーーーーー!!!!ビシャァァァ〜ーーーーーーーーン!!!!


凄い雷の力をまとった斬撃の波がスライムの大群に襲いかかる。それを受けたスライム達は跡形もなく消滅する。そして、私が魔剣の斬撃を放った先程まで青々しい草は皆まっ黒焦げになっていた。


そこで私は今更ながらに自分の魔力がとんでもなくなっていた事実を思い出し、苦笑いを浮かべるほかなかった。


「……とりあえず、エリスは魔力のコントロールを覚えないと危険極まりない」


いつのまにか私の側に戻ってきたレイがもっともらしい指摘をされた。本当にもっとも過ぎて反論の余地もなかった。


「それにしても……あんなに離れて魔力防御も張ったのに巻き添えをくらうなんて……」


ふと、レイを見てみたら何ヶ所か傷が出来ていた。私の後方も見ると、その草原も何ヶ所か黒こげになってる場所があった。


「という訳で……いただきます」


「へっ?ちょっ!?まっ!?ッ!!?たぁぁぁ〜ーーーーーーーーいッ!!?」


私はレイの傷が回復するまで血を吸われた……

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