3月3日 晴れ 「魔剣の鑑定」

3月3日 晴れ


オークキングとの戦いから一夜明け、町の人からレイだけじゃなく私も報酬を貰い、若干申し訳ないのでお断りしたのだけれど、「いいから!いいから!」と言われ、好意の申し出を断るのもアレなので有り難く受け取った。


「それで、エリスが手に入れた魔剣の事なんだけど……」


実は「鑑定」のスキルを持っているらしいレイが、昨日の夜に私の手に入れた魔剣を鑑定してくれた。


「とりあえず、呪いみたいなエリスの身体に負担をかけるものは無さそう。ただ、完全にエリスを主としてるせいで、私が触ると拒絶の抵抗魔法放ってくるから鑑定が大変だったけど……」


レイは若干ジト目で私を睨んでくる。いや、より正確に言うなら私が持ってる魔剣だけど……


「とりあえず、その魔剣はエリスを主として認めてるから、エリスが扱いやすいような重さになってる上に、凄いのはエリスが成長する度に、その魔剣も成長するみたいだよ」


私が成長する度に魔剣も成長するって事は……私が強くなれは、この魔剣も一緒に強くなるって事?なんだか本当に凄い魔剣ね……もう私とこの魔剣は一心同体なのね。


「けど、その魔剣最大の特徴は別にある。その魔剣はエリスが魔力を剣に流し込んで、その魔力を込めた斬撃を放つ技がある。しかも、それの使用は魔力を込めるだけだから魔力数値は必要としない」


「えっ!?それじゃあ……この魔剣は今の私にとって最大の武器になるって事!!?」


私は思わず興奮気味にレイに詰め寄る。それが本当なら私が1番問題にしていた物が一気に解決する。

しかし、何故がレイは無表情だけど若干困ったような表情をしていた。


「まぁ……実際体験した方が分かるか……」


レイは軽く溜息をついて、指をパチンと鳴らすと、一瞬で先程町にいた私達が広々とした草原のど真ん中に移動した。

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