sideM 水蓮寺さんのお気持ち
私には、好きな人がいます。
その方はとてもお優しくて、格好良くて、私の唯一の光──まさしく太陽のような存在です。
これは、そんな太陽のような男の子と、太陽に恋い焦がれる日陰者の、とある出来事です。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
キーンコーンカーンコーン
「それじゃあHR始めるから、席に着いて」
担任の先生がそう言うと、クラスメイトたちは一斉に自分の席に戻りました。八十崎くんはというと、必死にスマホを操作していて、なんだかとっても忙しそうです。誰かと連絡でもしているのでしょうか。私も、八十崎くんと電話やメール、してみたいな……。
「今日は学園祭の話し合いを進めてもらうから、後は実行委員に任せる」
先生はそう言い残すと、教室の隅のほうへはけていきました。最近の教師は、放任主義の方が多いのでしょうか。
「そしたら、学園祭の出し物についてなんですけど……ウチのクラスは喫茶店をやります」
実行委員が話を始めました。どうやら私たちのクラスは喫茶店をやるみたいです。……正直な話、前回の話し合いのときは目の前に座る八十崎くんをずーーーっと眺めていて、あまり話を聞いていませんでした。でもでも、喫茶店とあらば、もしかしたら八十崎くんに接客していただくという夢のような展開があるかもしれません……!
「えー、ということで、ウチのクラスはコスプレ喫茶をやります」
実行委員が言いました。「コスプレ喫茶」というのは、どのような喫茶店なのでしょう? 私はお友達がおらず、そういった娯楽に疎いのでいまいちピンときません。
でも、八十崎くんの様子が変なのです。心穏やかでないといいますか、コスプレ喫茶なるものに敏感に反応していらっしゃいます。それほど、コスプレ喫茶というものが楽しみなのでしょうか?
「アンタ、嫌そうな顔してるわね」
「コスプレすることになっても、楽しいと思いますよ」
相模さんと北条くんが、八十崎くんに声をかけました。みなさんはとても仲が良く、いつも楽しそうにお話してらっしゃいます。私にはそういった経験がないので、すごく羨ましいです。私も輪の中に入れたらな……そう思うたびに、私は自分の無力さを恨んでしまいます。悪いのは、なんの取り得もない、私なのですから……。
……そういえば、八十崎くんが嫌そうな顔をしていると、相模さんは仰っていました。てっきり、私は楽しみにしているものだと思っていたのですが……。後ろの席だと、彼の顔が見えないのがネックです。ともあれ、八十崎くんが顔をしかめていたとなると、コスプレ喫茶の実態が気になってしまうところです。
「えー、それでは、みなさんの役割分担を決定したので、各自確認してください」
すると、実行委員が黒板に分担表を貼り出しました。私はきっと裏方担当でしょう。地味な私が接客担当に選ばれるはずがありませんから。ですが、クラスの一員として参加する以上、一応は確認しておくのが筋です。それに、八十崎くんの担当も気になりますし。
私は黒板を見に行きました。もちろん、八十崎くんの後をこっそり付いて行きました。彼にこんなに近づけるのも、学校にいる間だけですから。私は常に八十崎くんを視界に入れておきたいのです。それくらいのことしか、今の私にはできないので……。
さて、私は分担表から自分の名前を探しました。水蓮寺という名字はとかく目立つので、こういったときには便利です。まあ、私はこの名字が大嫌いですが。そう思案しているうちにも、すぐに自分の名前を見つけました。そこで、私は少なからぬ衝撃を受けることになったのです。
「水蓮寺 みどり:接客」
我が目を疑いました。何度も見返しました。けれど、何度見ても結果は変わりませんでした。分担表には、はっきりと書かれていたのです。私は心の中でパニックに陥りました。どうして私が接客担当に……!? 理解ができません。くじ引きで選んだにしても、私のような暗い人間は接客担当から外すべきです。私は、どうにもならない事実に絶望するしかありませんでした。
「アンタは念願のコスプレ担当みたいねー」
すると、近くから声がしました。見ると、例の三人が話しているところでした。そうだ、八十崎くんの担当はなんでしたのでしょう。絶望している場合ではありません、早く確認しないと……!
「八十崎 俊:接客」
我が目を疑いました。こんな奇跡があっていいのかと。なんと、八十崎くんも接客担当だったのです! 絶望から一転、私は天にも昇る心地でした。もしかしたら、私たちは運命の赤い糸で結ばれているのかもしれません。これを機に、八十崎くんとお近づきになれるかもしれません……!
私は
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「ということで、次回のHRまでに各自でどんなコスプレをしたいか、考えてきてください」
どうやら私は盛大な勘違いをしていたようです。まさか接客担当の店員がコスプレをするなんて……! どうしましょう……コスプレなんてしたことないですし、そもそも恥ずかしすぎます! 内気でかわいくもない私には到底無理です。八十崎くんが渋っていたというのもうなずけます。
話し合いが終わり、クラスメイトたちは各々の時間を過ごしています。八十崎くんはというと、ご自分の席で一人で考え事をしていらっしゃるようです。やはり、コスプレについて案じておられるのでしょうか。
……あれ? これって、もしかして八十崎くんとお近づきになる千載一遇のチャンスなのではないですか……!? いつもは相模さんや北条くんが一緒なので、なかなか声をかけづらいですが、今なら二人きりでお話できます……! それに、学園祭という話題がありますから、口下手な私でもなんとか会話できるかもしれません。
ごくりと、私は唾を呑みました。勇気を出そう──そう決心するのに、時間はかかりませんでした。いつもならためらいにためらいを重ね、結局挫折してしまう私ですが、今日はなぜだか頑張ろうと思えます。ようやく同じクラスになれたのです、ここで行動しなかったら、絶対に後悔する……。私は人生最大の決心をして、初恋の相手に声をかけました。
「………………ぁ……ぁの…………………………」
「うーん、どんなコスプレがいいかなぁ」
ダメです、緊張で声がまったく出ません! 八十崎くんに聞こえてないみたいです。もっと大きな声で話しかけないと。
「……ぁ、あの………………」
「ここはベタにゾンビとかがいいか……?」
まだ聞こえてないみたいです。そういえば私、人に声をかけるのなんていつぶりでしょう。もしかしたら、声の出し方を忘れているのかもしれません。自分が思っている以上の大声を出したほうがいいのかも……私は息をたくさん吸って、思いっ切り声を出しました。
「あ……あのっ………………!」
「うわぁっっっ!!!」
「ひぃっっっ!!!」
どうにか私の声は届いたみたいですが、八十崎くんをびっくりさせてしまい、そんな彼の反応に私までびっくりしてしまいました……! どうしましょうどうしましょう。ひとまず、冷静にならないと……。
「あれ……。えっと、水蓮寺さん……?」
「……っ!」
瞬間、私は大好きな人から名前を呼ばれ、さらにパニックに陥ってしまいました。いや普通なら喜ぶべき場面でしょうし、現に嬉しすぎて昇天してしまいそうなのですが、私のコミュニケーション能力の低さがイタズラしてしまい、
「はいっ、あの、えっと、その……すいませんすいません!」
などと口走ってしまいました。一人で驚天動地に陥っている私を、八十崎くんは落ち着かせようとしてくれます。私が不甲斐ないばっかりに、八十崎くんにとんでもないご迷惑をおかけしてしまいました。きっと、「面倒な女」とか、「気色が悪いヤツ」とか思われているのでしょう……。うぅ、第一印象最悪です……。
「それで、えっと……俺に話しかけてくれたのは、水蓮寺さんで間違いないかな?」
「は、はい……」
どうやら、八十崎くんは私の名字を覚えてくださっているようです。こんな日陰者を認知してくださって、本当に嬉しいです。それだけでも私は生きていてよかったと思えます。
しかし、会話はなかなかスムーズに続きません。普段、人とお話しない私にとって、初恋の相手とのコミュニケーションは難易度が高すぎます……! 私から話しかけたのに、八十崎くんにリードしてもらっています。このままではダメです、「世話の焼ける人間」だと思われてしまい、もう一生接してくれなくなってしまいます。頑張って私が話を動かさないと……!
「そ、それで、えっと……」
私は口を開きました。ひとまず、ありきたりな話題を振りましょう。それくらいなら私にもできるはず……。
「あ、あの……もしよろしければ、わ、私と……と、ととと、友達に、なっていただけませんか……!」
「……へ?」
なにを言っているんですか私は!!! いきなり「友達になってください」はアウトでしょう!!! 緊張のあまり、本心を口走ってしまいましたが……完全に「世間知らずなヤツ」だと思われてしまいました! 八十崎くんもポカンとしてらっしゃいます(そんな彼もカッコいいのですが)。
「……! やっぱり、ご迷惑でしたよね!? すみませんすみません、私のことはもう忘れてください!」
「あ……違う違う! 迷惑とか、そんなんじゃないって! 俺も、その、水蓮寺さんと仲良くなりたいしっ」
またしてもパニックに陥る私。もう、私の人生は終わりですね。大好きな彼に嫌われてしまっては、存在理由を失ったに等しいのですから。そう、私が諦めているときでした。
「せっかく同じクラスになれたんだし、ぜひ友達になりたいよ。俺のほうからもお願いしたいくらい」
八十崎くんの口から、思いも寄らないセリフが発せられました。視界がぼやけました。私の目はすっかり潤んでいて、今にも感情があふれてしまいそう。
「ぁ……本当、ですか……?」
「うん、俺と友達になってほしい」
人間、嬉しいと感情があちこちになるものなんですね。先程までは泣き出してしまいそうだったのに、今はとっても心が晴れやか。このときの私は、自分でも気づかない間に笑顔になっていたのでしょう。
「はっ……はいっ! あの、ありがとうございます! 不束者ですが、これからよろしくお願い致します!」
「うん、こちらこそよろしく」
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「えっと……それじゃあ、まだお互いのことよく知らないし、改めて自己紹介しようか?」
「そ、そうですね」
ということで、改めて自己紹介という流れになりました。せっかく八十崎くんとお話できるのです、ここは死ぬ気で頑張らなくては……!
「じゃあまずは俺から。俺は八十崎 俊。陸上部に所属してて、短距離専門でやってます。紅や茶助とは昔から一緒で、まあ腐れ縁みたいな感じかな。よかったらアイツらとも仲良くしてやって」
八十崎くんが自己紹介してくださりました。正直、私はあなたのことを知り尽くしていますから、なにを言われても驚きはしませんが、やはり彼の肉声で聞けるとなると、格別に
「そ、それじゃあ、今度は私から……」
次は私の番です。ものすごく緊張します。自分のことを他人に話すなど、お友達のいない私には無縁の出来事ですから。
「わ、私は
案の定、私は大したことをお話しできませんでした。本当は趣味があるのですが……それをこの場で言ってしまっては、間違いなく彼に拒絶されてしまいます。あなたに深く関わることですから……。
「そっか、下の名前はみどりっていうんだね」
「……! は、はい、そうなんです……!」
びっくりしました。まさか大好きな八十崎くんに下の名前で呼んでいただけるなんて……! どうしましょう、私、なんだか変に興奮してしまいます。愛する人に名前を呼ばれるのって、こんなにも幸福なことなんですね……!
「そういえばさ、ひとつ気になってたんだけど……水蓮寺って、あの水蓮寺?」
八十崎くんは尋ねてきました。先程までの幸福感が、一気に温度を失うのを感じました。家のことは、話したくない。いくら大好きな彼相手でも……いや、大好きな彼との会話だからこそ、あの
「あ……はい、おそらく、ご想像されている水蓮寺で間違いないと思います……」
「そっか、そうだったんだ。すごいね、水蓮寺といえば、日本有数の名家じゃん!」
「いえ、大した家ではありませんよ……」
本当に大した家ではないのですから。
「……って、そんなご令嬢が、俺みたいな庶民と親しくしていいの!?」
これだ。私はこれが大嫌いなのです。あんな名ばかりの家のせいで、誰も私に接してくれなくなる。あんな名ばかりの家のせいで、誰もが私から目を逸らす。
「そ、そんなの、本当に気にしないでください……! 家のことなんて、関係ありません。わ、私は、純粋に、や、八十崎くんと、お友達になりたいのです……!」
そうです。私はただ、純粋にあなたとお友達になりたいのです。こんな私に手を差し伸べてくれた、唯一の光である、あなたと──
「……わかった、じゃあお互いに遠慮なしにしよう」
「はい……! ありがとうございます」
八十崎くんはそう仰ってくださいました。本当にお優しい方です。だから私は、心の底からあなたを愛してしまったのでしょう。
「そ、それで、ですね……八十崎くんに、お訊きしたいことが、ありまして……」
「訊きたいこと? なにかな?」
私は意を決して、最も訊きたかったことを尋ねました。
「あ、あの、私のこと……覚えて、いませんか……?」
言った瞬間、八十崎くんの顔に?が浮かぶのがわかりました。諦め半分の質問でしたから、答えはわかっていましたが、
「あ……っと、ごめん、あんまり心当たりない、かも……」
「ぁ……そ、そうですよね……。覚えてるわけ、ないですよね……」
やはり、私のことを覚えていないみたいです。いえ、覚えていないどころか、認識すらしていなかったのでしょう。わかりきっていたことですが、いざ現実を叩きつけられると、ショックは大きいですね……。
「もしかして俺たち、どこかで会ったことあるのかな?」
「はい……」
八十崎くんは、すかさずフォローしてくださいます。本当にお優しい方です。ここは事実をありのままにお話するべきでしょう。うやむやにしたままでは、この先も気まずくなってしまいますから。
「実は、私たち……その、同じ学校……だったんです」
「え……」
八十崎くんは絶句しました。
「ごめん! 全然覚えてなかった! 小学生時代の記憶は曖昧で……!」
続けて彼は謝ってくださいました。ですが……余計に真実を話すのが心苦しくなってしまいました。
「えっと……実は、中学校も、一緒だったんですよ……?」
「………………」
八十崎くんは雷に打たれたようでした。それほど衝撃の真実だったのでしょう。ですが、認識していないのも無理ありません。小中高と一緒でしたが、同じクラスになったのは今年がはじめてでしたから。
「本当にごめん!」
八十崎くんはさらに深く頭を下げました。
「い、いえ……その、仕方ないですよ……! 私たち、一度も同じクラスになったこと、ないですし……」
「いや、それでもさすがに小中高と一緒なんだ、認識ぐらいはしていないとダメだろう……!」
「そんな、ご自分を責めないでください……! その、私なんて……地味で、影が薄くて、なんの取り得もないですから……」
「いや、これは完全に俺の落ち度だ! 本当にごめん!!」
「いえ、全然、気にしていませんから……」
気にしていないわけがありませんが……彼に落ち度なんてまったくありません。10年足らずの間、何一つ行動を起こさなかった私の自業自得です。
ですが……そうですか。小中学生時代のことは覚えていらっしゃらないと思っていましたが……「あの日」のことも、忘れてしまわれたみたいですね。実は私たち、もうちょっとだけ昔に、出会っているんですよ…………。
「……でも、水蓮寺さんになんの取り得もないってこと、ないと思うよ」
「え……?」
突如、八十崎くんが仰いました。
「水蓮寺さんは、上品だし、物腰柔らかだし、なにより優しいよ。こうやってちょっとしか会話してないのに、それが伝わったんだ。これからもっと仲良くなれば、水蓮寺さんの魅力、たくさん見つけられると思う」
「……!」
八十崎くんが……大好きな男の子が、私のことを褒めてくださっています……! 誰からも褒められたことがなく、家族からも
「だからさ、あんまり自分を
「あ……ありがとう、ございます……」
嬉しいとか、そういった月並みな言葉では表せない感情が、私の胸を満たしています。初恋の相手が私の価値を見つけてくれた……本当に、八十崎くんを好きになって、よかった……。
「ということで、改めて、これからよろしく」
八十崎くんが、手を差し出しました。あぁ、「あの日」と一緒です……。はじめて出会ったときと、一緒です……。
「はい……! こちらこそ、よろしくお願いします!」
私は大きくて、温かな彼の手に、自分の手を重ねました。振り返れば、この瞬間が、人生で一番の笑顔を咲かせていたのでしょう。
「あ……それで、その……相談というか、なんですけど……」
「うん?」
私は再び意を決して、端を開きました。図々しいかもしれませんが、こんなチャンス、もう二度とないかもしれません。大丈夫……今の私なら、きっと大丈夫。
「その、八十崎くんと……お呼びしてもいいでしょうか……?」
「……ぷはっ」
あれ……? 笑われてしまいましたっ。私の発言、どこかおかしかったでしょうかっ? それとも、やっぱり馴れ馴れしかったのでしょうか……!?
「いいも悪いもないよっ、俺の名字なんだから。俺も水蓮寺さんのことは名字で呼ばせてもらうね」
八十崎くんは笑いながらも、優しく言ってくださりました。
「そ、そうでしたか……すみません、私、お友達とか、いなくて……。その、距離感のつかみ方とか、わからなくて……」
「謝ることじゃないって! もっと気楽に考えようよ。友達ってそういうもんだしさ」
「は、はい……! 私、頑張ります……!」
本音を言えば、下の名前で呼び合いたいのです。呼び合いたいのですが……私にはまだそんな度胸はありません。これから少しずつ距離を縮めていって、いずれはお互いに下の名前で呼び合える日が来れば……いいな。
「俊、アンタのとこは話し合い終わったの?」
するとそこに、相模さんがやってきました。相模 紅……この方は、八十崎くんのことを、どう思っているのでしょうね。
「ああ、俺たちはとっくに解散してたぞ。お前らも終わったのか?」
「ええ、なんとか。それで先生から連絡があるから、全員席に着けだって」
「そうか」
お二人が話し終えると、
「それじゃあ俺は自分の席に戻るから、また」
八十崎くんは私に向かって、そう言いました。まるでお別れするみたいに。
「えっと……はい」
嫌な予感がします……。いや、お別れすることには変わりないのですが……もしかして。
私たちが席に戻ると、プリントが配られました。前の席の方が、プリントを回そうとこちらに振り返ったときでした。
「なっ………………!」
「あぁ……どうも」
初恋の相手は、再び雷に打たれたようです。やっぱり気づいてなかったみたいですね、私が後ろの席だということ……。私はどうやら、自分の影の薄さを見くびっていたようです。
「本当にごめんなさい!!!」
かくして、私は大好きな大好きな彼と、お友達になることができました……! 頑張りました、私……! とはいえ、まだまだ私に対する認識は薄いし、距離だってまだまだ遠いです。これからもっともっと頑張って、必ずや八十崎くんに相応しい女になってみせます! そしていつか──
5月にしては暑い一日。今日は記念日になりました。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「………………みどり……みどり………………みどり……」
真っ暗な部屋の中。
レコーダーから流れる、愛してやまない彼の声に。
「……みどり……みどり……みどり………………」
包まれながら、眠る。
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