第16話
碧衣side
「そんな過去が…。ありがとうございます。話してくれて。」
「まぁ、この話には続きがあるんですよ。」
私は苦笑いをしながら言った。
「私が殺しを続けていると知った仲間たちは自分たちも、と言って暗殺者になりました。これで、私たちははれて暗殺集団なわけです。依頼がこればほとんど殺す。それを生業としてきましたから。その仲間の中に1人、幼馴染がいるんです。名前は沖風 京(おきかぜきょう)。なんででしょう。沖田総司隊長とにてるんです。」
「ほう、それは不思議ですね。彼と似ている人…。もしかしたらなにか関係があるのかもしれませんね。しかし、戻ろうとは思わないのですか?」
「どうでしょう。今は戻りたいとも思うし戻りたくないとも思います。こちらは面白いですから。ですが、仲間達に何も言わずにこちらに来てしまったことは後悔してたりします。だから帰るかどうかしっかり考えた上で彼らにまた会えるといいんですけど…。」
私は目線を落としてそう言った。
「あ、これ内密にお願いします。貴方には言えたのは何故かわからないのですが貴方は信用出来る。だからまた、その、お話聞いてくれますか…?」
私はあまり人を信用出来ない。だから信用出来る人がこちらに居る、というのはとても嬉しい。もちろん、月姫や夜桜は信用しているがずっと話しているわけではないから。
「あー、水樹さん。あなたが人を信用出来ない理由がわかりました。だけど、ここにいる以上私だけを信用するのは得策ではないかと。もちろん、頼ってくれてとても嬉しいし、もっと頼って欲しい。しかし、私以外にも少しずつでいいので頼ってあげてくださいね?いつでもここで待ってますよ。」
山南さんはそう言ってにっこり笑ってくれた。こーゆーとこが『仏』なんだろうな。
「…。はい。わかりました。そこは頑張ります。待っててください!信用できる人が出来た!って言いに来る日を。そして、その後も私を見守ってください!!」
「はい。いいですよ。可愛い娘のような子ですから。」
にっこり。そして私の頭を優しく撫でてくれた。いつもならほんとに嫌だがなんか嫌じゃない。
「ん!待ってて!!娘ってちょっと照れくさいのです。」
私は照れちゃいます。そんなこと言われちゃうと。
「ではもう遅いので寝なさい。いいですか?
夜更かしはだめですよ?」
「えー、でもー、暗殺ってのは深夜とかであんまし寝れないんですもん。」
「だめです。寝なさい。寝れないならまたおいで。話をしましょう。未来からきたならある程度は知っていそうですが細かいことはまだ分からないですよね?」
「!!いいんですか!?きたいです!きます!!じゃあまた後で、です!」
私はスタッと立ってペコッとお辞儀をして部屋を出てった。
山南は碧衣が出てった方を見つめながらこう独り言をぼやいた。
「貴女は凄い。私は貴女がいなかったらここを抜けようとしていたと言うのに。それは貴女の言う通りですよ。貴女が私を頼り『約束』を取り付けてくれたおかげで私は貴女がここにいる限りここにいなければならない。…ありがとう。娘がいたらこんな感じなのでしょうか。過去は過去です。信じられなくてもいいんです。なのにわたしをしんじてくれる。貴女に幸せが訪れますように…。そして碧衣、貴女にとってここがいい所になってくれるといいですね。」
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