第14話

碧衣side

「ん、ん?」

私が目を覚ましたのはまたも、ふかふかのお布団の中。記憶を呼び覚ますと、3本試合して道場でぶっ倒れた。馬鹿だわ。まぁ、寝てたことで傷が癒えたので良しとするか。だが、ここはまた沖田総司の部屋か。申し訳ないな。しかも誰も居ないじゃん。

「に、しても、なんか懐かしい夢を見たような…?まぁ、いっか。あ!いいこと考えた!山南さんのとこいこ!」

この紙と筆使っちゃお♪

『山南さんのとこに行ってきます

               水樹』

よし♪これでいっか♪服装整えてっと。よし!行こう!

〜山南さんの部屋〜

「失礼します。みずきです。」

「ん!?みずきくん!?どうぞ。」

スッ

「失礼します。あの、山南さん、私、申し訳ございません!」

「いえいえ、私たちの方こそ申し訳ないことをした。って多分これ続きますね。どうしたのですか?」

流石ですね、山南さん。

「突然なことで失礼しますが、貴方はここを抜けるおつもりで?」

「!?なにを!?」

「図星、ですか。でもそうです。史実上は。」

「史実上は?どういうことです?」

私がここへ来たのは山南さんに全てを話すつもりだから。

「私は貴方の事は怖くないんです。何故でしょう。だからここに来ました。なのでお互いに仮面をつけたままではなく素で話しませんか?」

「ほう、これが仮面だと何故?」

「んふふ、私、未来から来たんです。だから貴方達がどんなふうに死ぬのかも分かっています。その上でここにいます。」

「な、それはほんとうか!?」

「はい。ですがそんなことはどうだっていい。私が貴方達を守るから。何があっても。」

「みずき…。」

「あ、そうだ『私』は『みずき』ではありません。彼は仕事用。『私』は碧衣と申します。これ、秘密ですよ?」

笑いながら私は言った。

「碧衣、ですか。いい名です。」

「ありがとうございます。私もこの名好きなんです。って、そうだ。あの、私がなんで暗殺をしているか、まぁ、皆さん気になっておられるようですが、そのことをお話しに来たんです。ご迷惑でしたか?」

「いや、いいよ。聞こう。」

「ありがとうございます。では、少し長くなりますがお付き合い願います。」

そう言って私は1度深く頭を下げて騙り出した。

「あれは、私が産まれる前からのお話です…

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