第10話
碧衣side
スパーン!!
「失礼します!ひっじかったさーん!!連れてきました!褒めてください!」
「そうじぃぃ!!!うるさいと何度言ったら!」
またこのくだり、正直もう飽きた。とゆーことで観察結果、だね!まず、静かにこっち見てるひとが斎藤一。この人は拷問って言ってもそこまで酷くはなかった。
こっちを興味と罪悪感のある目で見てる3人が、原田左之助、永倉新八、藤堂平助。
原田左之助は背が高くいわゆるイケメン。永倉新八はお兄ちゃん的な。藤堂平助はワンコだな。まぁ、この3人も比較的拷問は楽だった。めんどくさかったのは土方歳三と沖田総司。あれはだるかった。まぁ、ゆーてもきっと、私の拷問よりは軽すぎるだろうけど。あと、拷問はしてきてないけどずっと私を見張っていて、今も屋根裏にいる観察方。山崎烝。こいつ、まじ気配消すの下手。沖田総司の方が上手いんじゃないかな?そして、最後は局長。近藤勇。優しそうな男だ。まだ分からない。この人はなんだ?
「あ、あの〜。と、とりあえず、座りませんか?」
「あ、説教終わったのか?座らせてもらうぞ。」
「単刀直入に聞くがお前の名前はなんだ?」
「何故俺から言わなければいけない?お前らと仲良くする気ないから言わなくていいよな?」
「刀、ほんとに綺麗なんですかぁ?使えないし、折っちゃいます?」
ブワッ
「沖田総司、てめぇ殺されたいのか?」
あ、いけない。ついつい、殺気が。
「そうだ、俺の刀どこにある?返せ。」
「とりあえず、名前を。きっとみんなの名前分かるのでしょ?なら名乗って欲しいです。なんて呼べばいいのか分からないので。」
ッチ私の殺気が効かないか。ま、いーけど。
「そうですね。『みずき』とでもお呼びください」
あー、めんど。早く終われや。死ね。
「みずきさん?漢字は?」
「ッチ、てきとーでいーよ。」
『みーずーきぃ!』
(!?は!?え、なに、月!?なんで、どこ!?)
『もうこれからみずきって呼ぶもん。』
(いや、キャラよキャラ。)
『知らないもん。』
「この声は?」
『さぁの。そなたら、妾がぶっ殺してやる。待っておれ。そして死ね。』
(私が殺す。だめ。)
「なぁ、お前らの話聞いてやる。だからあいつに、俺が仲間だとほざいたやつを外に出して欲しい。どーせ殺す気なんだろ?俺に会わせてくれるのであればお前らの質問は答えてやる。答えられる範囲でな。どうだ?」
「…いいだろう。」
「っしゃ!よろしくな!」
ガチャガチャ、
「おいてめぇら!なんで俺が!早く離しやがれ!」
「てめぇさ、死ねよ。俺は今怒ってんだ。お前を殺すよ。今から。」
私は月姫を土方歳三の部屋の隠し扉からさも当然のように取り出すと相手の首へ持っていった。
「1名様地獄行き〜♪」
ザシュッ
「い、いたい、痛い!!!!ゆ、許してくれ!お前を巻き込むつもりは…。」
「はぁ?いまさらぁ?ちょっとなにいってんのかぁわかんないなぁ!死ねよ。」
ザシュッ、ザシュッ、ザシュッ
浅い傷を沢山つけて、殺していく。こいつだけは許さねぇ。俺は悪くない。死ね。
「ごべ、ん、なざ、い、ゆるじで、ぐだ、ざ、い…。」
「まだ死なせねぇよ?何死のうとしてんのぉ?もっともっと苦しみな。」
ザシュッ、ザシュッ、ザシュッ
「ヒューヒュー、ゆ、るじ」ガク
「ッチ、もっと苦しませる予定だったのに。俺も2ヶ月の間に腕、落ちたな。」
皆さん唖然。
「み、ずきさん。あの、その人もう、死んでいますよね…?」
「あ?死んでるよ。殺したんだもん。まぁ、約束通り質問は答える。できる限りね。」
「じゃあ、てめぇは何もんだ。どこの間者だ?」
「まず、どこの間者でもねーし、そもそも間者でもねーよ。だけど、何者か。んー、『暗殺者』かな。」
「『暗殺者』だと!?」
「そう、だから拷問とかもするし一通り人を殺す方法を知ってる。それを生業としてからな。」
「そ、うか。じゃあお前は今どこにも属していない?のか?」
「そうって言ってんじゃん。言葉通じないわけ?」
「ッチ。あと、お前ほんとに女なのか?」
「俺に喉仏あるか?ちょっと待て。
ん、んー。ごほん。コホンあー
どお?こんな感じ。こっちが元の声。なんか文句ある?」
あー、なんなんだろうねぇ、こんなに。声とか聞きたい?きっも。つかさっきから土方歳三しか聞いてないな。ま、いいけどね。
「みずきくん。君はさっき、どこの間者でもない、と言ったがもしかしてだが、帰る場所というものがないのかい?」
近藤さん、鋭い!
「っ!…そうね。ないよ。あるわけないかな。そんなもの。」
「悪いんだけど声直してくんない?なんか落ち着かない。」
永倉新八、空気読め。
「いーじゃねーか、ぱっつぁん!可愛らしい声で!」
原田左之助、うるさい。
「コホン。だったらうちに居ないかい?」
「へ?どゆこと?私がここに?ここって女人禁制よね?」
「そうだよ?でもね、我々が君にしたことは許されないことだ。」
「それは女だから?女だから許せないって?ふざけたこと抜かしてんなよ。私が男だったらこれは許されること、そーいうことだよな?てめぇが言ってんのは。んなの、ありえねぇ。」
「みずきちゃん、そこもちょっとはあるんです。でも、貴女が倒れた時にあの男に言ったんです。彼は死にました、と。するとあの男は高笑いしてこう言いました。『あいつは俺たちとは一切関係ねぇよ』と。私はその一言でちょっと、切れてしまって…。気づいたらあの男、虫の息になってしまっていたんです。その後、貴女が女だと聞くし。無実だったにも関わらず、あんなことをしてしまった。ここにいる皆さんは知っています。」
沖田総司が怒りを隠そうとしながら話した。
「そう、ですか。なら申し訳ないです。でも女人禁制。私はこれでも女です。これが芹沢鴨にバレたらどうしますか?貴方たちが怒られるんですよ?」
「貴女は優しい。ですがね。放っておけない。年頃の娘が1人で住む場所もなく、なんて放って置けませんよね?」
「もう、知りません。好きにしてください。ですがね、局長、近藤勇。ひとつだけ言わせて欲しい。あなたは上に立つ人だ。それだけはわかった。何も出来ないが今日からよろしく頼む。」
私は深くお辞儀をした。
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