第9話
碧衣side
「ん、…。ここ、は?」
気が付けばふかふかのお布団の中にいた。
「っ!」
私は起き上がってびっくりした。自分の身体にあった傷は丁寧に治療されていた。私は、傷があってもあまり「痛い」という感覚がない。だから、これも痛い訳では無いんだが、なんというか、ちょっとむず痒い。だが誰が治療を?と。そしてここは、どこか、と。だが、なにかがおかしい。だって、気配が近くにない。少し遠くから見守ってる感じ。謎だな。これ。
「失礼しても宜しいですか?」
「どうぞ。」
声的に沖田総司かな?
スッ
「失礼しますね。あの、お怪我の方はどうですか?本当に申し訳ないことをしました。許してくれとは言いませんし、」
「あの、ここどこですか?」
「っ!あ、私の部屋です。」
(ふーん、ここは沖田総司の部屋。)
「なんで私はここに?」
「傷を癒すためで、ほんとにその、」
「んー、じゃあもう行っても?」
「へ!?どこに!?」
「さぁ、どこでしょ。でもここじゃないとこですね。」
だって、ここにいる必要ないし。あ、でも月姫たち…。
「あ、あの。土方さんの所には行きましょう。多分皆さんいらっしゃいますし。」
「…めんどくさ。あの、行くんで交換条件です。私、倒れたみたいなんですがどのくらい気絶していたんですか…?」
「え?あ、えーと、1週間程ですかね?」
「!?!?!?!?あの、死んでもいーですか?」
「は!?だめです。立てますか?行きますよ。」
「死にたいです。最悪です。あ、あと、もう1人の男ってまだ生きてますか?」
「あぁ、生きてますよ。」
「わかった。ありがとう。行こうか。」
そうして私はすっと立ち上がり身なりを整えてから土方歳三のところへ向かった。
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