第8話
碧衣side
「ん、んー。」
眩しい。なんか、眩しい。白い不思議な空間で目が覚めた。
『碧衣。久しぶりなのです。ふふ、姉様はちょっと今拗ねてます。』
「そっか…。ごめんね。貴女のお兄さん探すの遅くなっちゃって。」
夜桜がいる…?どゆことだ?姿が見える。不思議。だってこの子は刀。
『っ!そなたは!あおは悪くない!あお、妾たちは、その、探すことよりあおの身体を心配しておるのじゃ。そなた、なぜ妾たちの姿を見れるか不思議に思わんか?』
月姫も。なんで?
「不思議。なんで…?」
『貴女は倒れてしまったのです。あの方々がとりあえず、解放してくれた時に疲労が溜まっていたのでしょう。眠るようにしかし、苦しそうに気を失ってしまったのです。』
『碧衣はよくやってるし、すごいと思う。だけどな、お前はやりすぎなのじゃ。お前だって一応人間なのじゃよ?それをちゃんと意識せい。妾たちの大事な主なのだから。』
「…。それいや。私は『主』じゃない。私は!貴女たちの事そんなふうに思ってない!こんなこと言っていいのかわからないし、迷惑かもだけど、貴女たちは私にとって友達なの!だから、ごめん。でも、わがままいっていいのなら、ありがと。」
私は2人に抱きついた。とっても暖かく、とっても優しい2人に。
『照れるのです。私、人間のお友達って初めてなのですよ?ちょっと、本気で照れるのです。ありがとうなのです。』
『妾も、なんか照れるのじゃ。ありがとの。あおい。』
『ふふ、姉様はこういう時ほんとに口下手なんだから。姉様はこれでもとっても嬉しいのですよ?』
「ありがと。2人とも。」
『そろそろ時間のようじゃ。さぁ行きなさい。』
『また普通に会いましょ!』
『『行ってらっしゃい、あおい』』
「…いって、きます!またあとで!」
2人が手を振ってくれている。ありがとう、2人とも。だいすきだよ。私は2人に背を向けて目を瞑り、息を吸った。すると意識がぼんやりして、気づけば意識が無くなっていた。
『行ったの。』
『行きましたね。』
『『またあとで』』
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