第7話
総司side
ドタドタドタ、スパーン!!
「ひ、ひ、土方さぁん!!!!!!」
「そうじぃぃ!!!何度言ったらわかる!入る時には確認してからといつも言ってるじゃないか!」
「そこは、今は謝ります!ごめんなさい。ただ、今すぐ来てください!」
「どこへだ。」
「いいから!!!!あ!近藤さんも!!!」
そのまま私は土方さんと近藤さんをつれて拷問部屋に行った。
確かに彼、いや、彼女は最初はおかしいと思った。男のような声、男のように帯刀しているが身体の線はとても細く折れてしまいそうだった。でも、肝が据わっていて、敵でなかったらうちに欲しいと思ったくらいの人だった。
「総司、いきなりどうしたんだ。」
「土方さん、大変です。私達は大変なことをしてしまっていたのです。」
「どういうことだ?」
「近藤さん、2ヶ月ほど前に捕らえた不思議な、しかし肝が据わった少年、覚えてますか?」
「あぁ、覚えている。なかなか吐かないとトシがボヤいてたからな。」
「ちょ、近藤さん!?」
「はは、そりゃ、そりゃ。しかし、その彼はあの。えと。」
「総司?ほんとどうした?」
「あ、もう着くんで、見てもらってもいいですか?」
ちょうど部屋に着いたので扉を開けながら言った。
「『彼』は『彼女』だったのです。」
ギィー
「ん、眩しい。いきなり走ってくから驚いたぞ。言ったはずだ。卑怯なことをする、と。申し訳ないな。」
彼女は苦笑しながらそう言い放った。
「てめぇ、まだ吐か「土方さん!」なんだ、総司。」
「ちょっと黙っててください。すみません、この人うるさくて。では、あなたは女の子なのですか?本当に?」
「は?え、どうした?さっき言った通りだ。ちょっとまて。」
「んー。ごほん。コホン。あーあー。」
「これでどお?普通に女だし、喉仏ないでしょ?」
聞こえてきたのは鈴を転がすような声。さっきまでの男の声とは高さが明らかに違う。それに、言われてみれば喉仏がない。
「「!?」」
「お、お前、女だったのか!?」
「お、女子とは知らずに我々は…。申し訳ない!!!!」
近藤さんが、土下座。
「あー、えっと、どーでもいーからとりあえず、このカッコどーにかしてくんない?」
あ。逆さで釘とか刺さってる…。
「「「すぐに!!」」」
ドサ
「ふぅー、あー、もう行っていいか?」
あ、声戻った。さっきのがいいな。
「ダメだ。今すぐに俺の部屋に移動するぞ。」
「やだ。なんでてめぇの部屋に行かなきゃならん。めんどくさい。」
「まぁまぁ、行きましょ?」
「だから、行く必要が」
「貴女の刀、土方さんの部屋にあるんです。」
「は?刀が穢れる。最悪だ。あとな、今俺立てない。さすがに2ヶ月逆さで足に穴あいてて飲まず食わず、それに寝てもいない。そう来たらもう立てなくもなる。」
「「「はぁ!?!?寝てない!?」」」
「と、とりあえず、行くぞ!近藤さん!そいつら連れてきてください。幹部呼んできます。」
「わかった!総司、お嬢さん。行きましょう。」
「はーい、では、私が抱えてきますね?」
「い、いらない!べつに、いらない!」
「はいはい、行きますよ。」
ヒョイ、フワ
え、え!?軽過ぎない!?え、まって、私達はこんな軽い子に拷問を…。
「ほんとうに、申し訳ないです。ごめんなさい。」
「ん。」
「ん?どうした?お嬢さん?そ、総司!?お嬢さんが!」
抱きかかえたのは私だがさすが近藤さん。気づくのが早い。
「あ、近藤さん。気を失っています。丞くんを呼びますか?」
「いや、トシに言っとくから休ませてあげよう。総司、何故かこの子は君を俺たちよりは警戒していない様子だ。だから手当だけしてあげてくれないか?」
「ですが、きっとこの子は私がいるとちゃんと休まないと思います。」
「そうだな。だから、手当をしたら誰も部屋に近づけないようにしよう。近くで見守るくらいかな。」
…流石だな。近藤さん。それでこそ私達の大将です。さて、とりあえず、私の部屋でいいですかね?
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