第6話
〜座敷牢〜
「おいこら、てめぇのせいで捕まっちまった。死ねこら。」
「ざまぁ見ろ。これで俺は助かるからな。」
「それはねぇな。絶対に。」
私たちが話していると誰かが来る気配がした。男は気付いていないようだが。
「てめぇ、無駄口叩いてんな!そして、お前、こい。」
土方が私に向かって言った。いや、むり。
「閉じ込められたこの状況で何ができるってんだ。くそ。」
ガチャガチャ。パタン。ギー、パタン。
(うわ、ここが拷問部屋?やば。)
私は逆さに釣らされ足に釘が刺され殴られ蹴られた。
「てめぇの仲間吐けこら!」
「…」
ドス、ドス、
「吐くまでここだからな!また違うヤツらがくる。覚悟しとけ。」
(ふーん、だいたい新撰組のメンツ見れるわけだな。よし、観察ターイムstart!)
それから2ヶ月後…。
「な、何故貴方は吐かない?これだけきつく、飲まず食わずでもう二ヶ月ですよ?」
「…なんか、話し方違うな。」
「今そこですか!?なんか今日は拷問する気分じゃないんですよ。」
「あっそ。…なぁ、俺の刀達は大丈夫か?」
「!?あ、あの刀使えますか?」
「?刀身がとても綺麗で美しく研ぎ澄まされてるよ。」
「!?あ、あの刀抜けないんです。我々がどんな力を使っても。」
「刀には心があるから、じゃないのかな?しらん。」
「貴方はなぜ吐かない?」
「あんたさ、俺は一応あんたらの『敵』なんだろ?なんでそんなこと言う?そんなに殺したいか?あと、俺は吐くものねーもん。吐けねーよ。」
「…私は貴方が嘘をついてるようには見えないんです。だからこそ、」
「はぁ。なぁお前には俺が何に見える?」
「どういうことですか?」
「そのまんまの意味だよ。あと、今から俺は卑怯なことをする。それを許して欲しい。」
「…。分かりました。私だけですからね?
なんか、弱そうな男って感じです。まぁ、実際はとても強かったですし、今だって2ヶ月も飲まず食わずなんて凄すぎます。」
「あー、まぁ半分は正解って感じだな。俺、自分の身は自分で守れる程度の『女』だ。」
「は!?!?!?お、女!?」
「俺ってそこらのヤツらに比べたら細いと思わないか?」
「まぁ、こんな細いから第一印象は弱そうだったんですよ?」
「そっか。んじゃあさ、胸元、見てみ。」
「!?さ、晒し!?ちょ、ちょっと待っててください!」
ん?なんだアイツ。さすがに言わなかった方が良かったかな?卑怯だよなぁ。こんな事言うの。
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