第2話

少し歩いていると、後ろからまた銃声が聞こえた。

バンッ

私は少し焦って後ろを振り向かず走った。

気配をできるだけ消していたがきっとさっき殺したやつの仲間だろうな。殺してる時を見られていたらその後に気配消しても意味ないから。やばい。どしよ。

とりあえず、屋根の上を走っていると神社が見えた。人殺しの私だか今日だけは匿って欲しい。そう心の中で思って神社のなかに入って行った。追っては私を見失ったのかいなくなっていた。

「ふぅー。あぶないな。」

(に、してもこの神社のおかげだ。ありがと。)

今出てくのは少し危険だから神社のなかを見て回ろう。

「ん?なんだ、これ…。」

神社の社の中が光っているように見える。

不思議に思い、悪いと思いながら社を開けさせてもらった。するとそこには美しい刀が2振りあった。1つは桜の黒刀。2つめは刀身に蒼い月が彫られた美しい小刀。

鞘から出す時も思ったがよく手入れがされていてとても愛されている刀だと思った。

『姉様。何故この子に我らが抜けるのか?』

『わからぬ。けど、多分この子はそういう子なのじゃ。きっとな。』

「あのさ、俺の前で俺の話とはびっくりなんだけど。あんたらなに?」

私の前には姿がないがとても美しい声が「いる」。どういうことだ?わからない。

『ほう。妾たちの声が聞こえるのかの?おんし、名は?』

「はっ、知ってんだろ、どーせ。『みずき』だ。」

『名、じゃよ。名前。おんしは「みずき」だが、「みずき」じゃない。ちがうか?』

「ほんっと、調子狂うね。でもね、『俺』は『みずき』だよ。」

『ほほぅ、では普段のおんしは?誰じゃ?』

おいこら、ニヤッとすんなや。こいつら分かってて言ってやがる。

「分かってんなら聞かなくて良くね?」

『一応な。「碧衣」よ。』

「うっざい。そうだよ。『私』は『碧衣』だ。だがな、今は仕事してたし『みずき』なんだわ。」

『ややこしい。めんどい。あおいでいい。あおいと呼ぶぞ。よいか?』

『賛成です。』

「はぁ、もうなんでもいーからさ、なんなわけ?」

『あおい、そなた、この世は生きづらくないか?』

「そーかもね。何が言いたいの?」

『お前は人だがなにか欠けてる。それを見つけておいで。』

「それって強制?別に今のままで…『強制じゃよ?』は、?まじ?」

『まじ。大丈夫じゃ、妾たちも着いてゆくからの。のぉ?』

『はいです。姉様。碧衣、もし嫌なのであれば私からお願いでございます。私たちの兄をお探しくださいませ。』

「うーん、今更だけどあんたらって刀だよね。兄とかあるの?」

『あります。私たちは一人の男の手によって作られたれっきとした兄妹。お探し頂きたい。ダメですか?』

上目遣い

「はぁ。分かったよ。探してやる。でも、どこで?」

『んふふ、それはの!!扉を開けてみよ。その先で探しておいで。服はそこのを着れば良いからな!』

そういい、扉と風呂敷を指さした。

ってゆーか、こいつら、なんか、うん。

まぁ、いっか。

「ありがとな。じゃあ、これからよろしく、か?」

『よろしくの!』『よろしくなのです!』

「よろしく、月姫、夜桜。」

『月姫?』『夜桜?』

「ん?違う?月姫は、美しいブルームーンが彫ってあるからで、夜桜は夜の黒の中に咲いてる桜が柄のとこにあるから?だめだった?」

『よいのじゃ!とても嬉しいのじゃ!ありがとな、我らが主、あおいよ!』

『とても嬉しいのです!ありがとなのです!!これからよろしくお願い致します、主様』

「そーゆーの嫌いだから。おけ、よよろしく。」

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