第12話 賭け
神は、一つの賭けをすることにした。
人工惑星管理のために、何体かの生体ロボットが存在するのであるが、それらに疑似人格を与えたのである。
神の意思を極端に分割させた上で、ある二体へと流し込んだのである。
要は、化学反応を見ようとしたのだ。
延命を望む者と、望まない者という、人格同士をぶつけることで。
結局、なんにも起こらなかったが。
一憶年すらもさほど長い時ではないという、ほぼ無限の感覚の中を、これまで存在してきたのだ。
延命を望む側にとっても、なにを犠牲にしても守るべきものではなかったのだ。宇宙という存在は。
これはほぼ、神の予想通りのことでもあった。
どうであれ、結果を見届けるくらいはしよう。
今回の、ついに西暦2000年を突破した仮想世界の。
もう、宇宙の寿命は、ほとんどないのだから。
あと80億年ほどしか。
もしも、また失敗したら……
文明が滅んだり、望む方向性に進まず、やり直すことになったならば……
あと一回、無理しても二回しか、もう機会はないだろう。
ただ、神がそれを語るのもおかしな話だが、そうなったならばそれは運命。
終焉の時まで、眠っていればよいだけだ。
ただ、神は一つ、読み違えていたのである。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます