第04話 史奈救出作戦、完了
そう、わたしたちは、
リヒト東京支部へと、最初に乗り込んだのは、わたし、カズミちゃん、
本当ならば東京支部は東京の、本部は大阪の、地元中学高校の
そのため、関係者の家族を助けるという利害もあって、わたしたちがまず向かうことになったのだ。
異空の空を飛んで向かっている途中で、
その時に、天野姉妹を別働隊として、フミちゃん救出の本命に当たらせる、ということも聞いた。
だから、わたしたちもまずは隠密行動だけど、もしも目立つことになっても、それはそれで構わない、といわれた。
その分、天野姉妹が動きやすくなるからだ。
裏での救出作戦のことを知っていたから、だから治奈ちゃんも、
逸る気持ちこそあれ、ある程度落ち着いて行動することが出来ていたのだ。
天野姉妹を信じて、時間を稼ぐために。
でも焦りからか治奈ちゃん、最後の方はかなり熱くなってしまっていたけど。
救出の計画に関しては、賭けといえば賭けだった。
最終的に助け出すことが出来たからよかった。
けど、その時間稼ぎのため、何人もの犠牲者が出てしまったわけで、治奈ちゃんは、きっと、ずっと悔やむことになるのだろうな。
討伐作戦の開始が早まっただけだ、なんて、とても割り切れないだろうからな。
治奈ちゃんも、
そして、わたしもだ。
そう、わたしも、犠牲になった子たちに対して、申し訳ない気持ちで胸がいっぱいになっている。
もしかしたら、その気持ちは治奈ちゃん以上かも知れない。
だって、今回の件は治奈ちゃんが発端じゃないからだ。
わたしを
仮にわたしが存在しておらずとも、所長は別の誰かに同じようなことをするだけ。
でも、それはそれ、これはこれだ。
わたしの罪、というか重たい気持ちが軽くなるわけじゃない。
わたし自身はなんにもしていない。と、理屈では割り切れても、でも申し訳なさを感じずにいられない。
悔いずにいられない。
自分の無力さを、痛感せずにいられない。
悲しい気持ちになる。
もっとなにか、出来たのではないか。
誰も死なずに、済んだのではないか。
もしも、あの時……
もしも、わたしが……
たらればの言葉が、いくらでも頭に浮かぶ。
でも、
でも、
それは明日だ。
ここでのことが、すべて終わってからだ。
溢れるほどの後悔を胸に深く刻みながらも、泣くのは明日。
いまは、まったく関係のない小さな女の子が犠牲にならずに済んだ事実を、喜ぼう。
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