こーひーぶれいく そのさん

魔法使いのあさきさん 痛(ツー)

【四コマ漫画風小説 魔法使いのあさきさん ツー


     1

 中学校の教室。

 自席でアサキが、自分の腕を枕にして居眠りしている。

 そんな彼女を、はるなるが横に立って見守っている。


「あっ、治奈ちゃん、おはよおーーっ!」


 これはアサキの寝言である。

 迷惑なくらいでっかい声である。


「ハルにゃんと挨拶してるね。どんな場面なのかな?」

「ふむ、さわやかな登校シーンじゃろか」


 ぼそぼそっと話し合っている二人。


     2

「おまよおおおっ! 成葉ちゃんっ、正香ちゃんっ、今日もいい天気だねっ!」



「お、やった、ナルハも出てきたあ!」


 喜んでいる成葉。


「それより、おまよおってなんじゃろ?」


     3

「ウメちゃんっ、釣れてるっ? ああもおおお、お好み焼きが口に付いてるよお。拭いてあげる。子供なんだからあ」



「夢の中とはいえ、なんか幸せそうじゃの。シチュエーションが分からなくなってきたけど」

「なんかこっちまで暖かくなってくるね」

「ほじゃけど、あと残るのは……」


     4

「やめてええええっ首を締めるのは勘弁してええ!

 ごべんなさああああああい。

 なんにもしてないけどごめんなさああああい。

 シャイニングウィザードはもっとやめてええええええ!」



「夢の中でまで……。名前が出ずとも誰にやられてるか想像出来るのがなんとも」

「かわいそすぎて泣ける……」



     ― 完 ―

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る