(元)魔法使いのみさとさん

【四コマ漫画風小説 (元)魔法使いのみさとさん】


     1

 狭い部屋に、アサキたちと須黒美里先生がおり、雑談をしている。


「そういや、須黒先生も魔法使いだったんですよね」

「そうよ」


 アサキの質問に、須黒先生が「それがどうかした?」という顔。


     2

「へえ。須黒先生の魔道着姿どんなだったのかなあ」

「あるわけないじゃろ。人にバレたらいけんのに写真を撮るわけない」

「そ、そうそう」


 と、いいながらそーっと部屋を出て行こうとする須黒先生の、

 胸に抱えられていた物が、どさどさっと床に落ちた。


     3

 写真であった。


 須黒先生っぽい、でもまだ十代前半に見える少女の、魔道着姿。

 そうした写真が床にたっくさん。


 しーん。


 静まり返った部屋。

 みなが口を閉ざして、すっかり点のようになった目で須黒先生を見つめている。


     4

「ぴ、ぴちぴちしてるの残しておきたくてえええええ」


 ずるーっとズッコケているみんなの前で、照れ笑いしながら大慌てで写真回収している須黒先生であった。



     ― 完 ―

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