010 曙や気薄き春を…… 掛詞、三句切れ

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  元旦の心を


あけぼのや 薄き春を むかふめり そとかすみゆく 白影の山


・あけぼのや けうすきはるを むこうめり そとかすみゆく しらかげのやま

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[通釈]

 元旦の趣を詠んだ歌

 元旦のあけぼのが、なんとなく新春を迎えるようだ。遠く静かに霞んでいく山が見えるので。


[補註]

・掛詞…第四句「そと」→名詞「外」と擬態語の副詞「そと」。

・三句切れ。


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あけぼのや 薄き春を むかふめり そとかすみゆく 白影の山

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[推敲]

 前の「曙や春迎ふめり……」を三句切れにして、詠みました。

 結句「白影の山」についてですが、雪国在住の方は、雪山の意も含めて読むと雰囲気が出るかと思います。

 二首を比較のために並べます。


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あけぼのや 薄き春を むかふめり そとかすみゆく 白影の山

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―――――

あけぼのや 春むかふめり 際も端も そとかすみゆく 白影の山

―――――――



[更新履歴]

・令和元年七月三十一日(二〇一九年)

 歌そのものを修正(修正前:あけぼのかすみの春をむかふめりさはとなりゆく白影の山)。



れい元年六月九日)(二〇一九年)(春歌はるのうた

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