011 破魔弓の春迎ひたり…… 枕詞、掛詞、二句切れ、四句切れ、本歌取り

――――――

  迎春を


破魔弓の 春迎ひたり もののふの 矢取りそろえむ はや社へ


・はまゆみの はるむかいたり もののふの やとりそろえん はやみやしろへ

――――――――――


[通釈]

 迎春を詠んだ歌

 破魔弓を飾る正月を迎えた。((おっと、破魔矢が足りないから、)) 破魔矢を取りそろえよう。早く神社へお参りに行こうよ。


[補註]

・枕詞…第三句「もののふの」→矢。

・掛詞…結句「はや」→「早」と「甲矢はや」。

・二句切れ、四句切れ。


―――――

破魔弓の 春迎ひたり もののふの 矢取りそろえむ はや社へ

―――――――


[推敲]

 結句「御社」の読みは、「美」の意味も込めて「みやしろ」としました。


[本歌取り]

  初春

4 あづさゆみ春たつらしももののふの矢野の神山霞たなびく

◯春が来たに違いない。あの、矢野の神山に、霞がいっぱいにかかっている。

   藤原実兼さねかね

『日本の古典 10 古今和歌集 新古今和歌集』河出書房新社「ぎょくよう和歌集」、整形引用者。


―――――

破魔弓の 春迎ひたり もののふの 矢取りそろえむ はや社へ

―――――――



(令和元年五月二十六日)(二〇一九年)(春歌はるのうた

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る