009 東雲や影ろふ春を…… 単語、三句切れ

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  元旦の心を


東雲しののめや 影ろふ春を むかふめり すこしなりゆく 白き山際


・しののめや かげろうはるを むこうめり すこしなりゆく しろきやまぎわ

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[通釈]

 元旦の趣を詠んだ歌

 元旦の東雲が、かすかに光りながら新春を迎えるようだ。山際の、少し白くなっていくのが見えるので。


[補註]

・単語…第二句「影ろふ」→ほのかに光る。かすかに光る。結句「山際」→空の、山に接する辺り。

・三句切れ。


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東雲しののめや 影ろふ春を むかふめり すこしなりゆく 白き山際

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[推敲]

 前の「東雲や春迎ふめり……」を三句切れの体言止めにして、詠みました。読後感が、だいぶ違います。二首を比較のために並べます。


―――――

東雲しののめや 影ろふ春を むかふめり すこしなりゆく 白き山際

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―――――

東雲しののめや 春むかふめり 山のきは すこし明かりて 白くなりゆく

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(令和元年六月九日)(二〇一九年)(春歌はるのうた

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