008 暁やかそけき春を…… 単語、三句切れ

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  元旦の心を


暁や かそけき春を むかふらし 濃くとしもなき 紫の空


・あかつきや かそけきはるを むこうらし こくとしもなき むらさきのそら

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[通釈]

 元旦の趣を詠んだ歌

 元旦の暁が、かすかに新春を迎えるらしい。夜明け前の空が、薄くともなく濃くともなく、紫色に見えるので。

(第三句の推定「らし」に対する根拠は、第四句から結句まで。)


[補註]

・単語…第二句「かそけき」→かすかだ。淡い。ほのかだ。(終止形「幽けし」)。第四句「しも」→強調の意を表す。

・三句切れ。


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暁や かそけき春を むかふらし 濃くとしもなき 紫の空

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[推敲]

 前の「暁や春迎ふらし……」を三句切れにして、詠みました。二首を比較のために並べます。


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暁や かそけき春を むかふらし 濃くとしもなき 紫の空

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―――――

暁や 春むかふらし 紫に 濃くもかそけく かかりゆく空

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(令和元年六月九日)(二〇一九年)(春歌はるのうた

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