第11話 再び・・・

ガタンゴトン

列車は走る。

もうじき目的地である駅に着く。


車窓には海が見えてきた。

見渡す限りの水平線。


相変わらず美しい。


今は夏。

車内は観光客で、混雑している。


今から、行く所には、今年のGW以来だ。

3日間しかいなかったが、とても、いい3日だった。


駅で、待ってくているはずだ。

彼女が・・・


「神部くん、こっちこっち」

「木藤さん」

互いに駆け寄った。


「ありがとう。来てくれて。会えて嬉しいよ」

「僕もだよ」

自然と彼女の手を握る。


あの日僕が握ったのは、彼女の両手。

自分の両手で、彼女の両手を包み込んだ。


彼女の全てを受け入れられるように、願って・・・


「絵は出来た?木藤さん」

「うん。神部くんの絵も届いているよ」

「ごめんね。下手で」

「ううん。嬉しかったよ」


この夏休みは、木藤さんと過ごす事になる。

一か月あまりなので、長く感じるがあっという間だろう。


いつか本当に、彼女の全てを受け止められるように、強くなりたい。


「神部くん」

「何?」


「ありがとう。正解だよ」


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パステルサマー 勝利だギューちゃん @tetsumusuhaarisu

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