第5話 同部屋
「神部くん、お待たせ」
木藤さんが、戻ってきた。
「君の寝泊まりする場所だけど・・・」
「うん」
「ここ」
「ワンスモア?」
「ここ」
ビキニ姿の女子高生たちの集団が、横切って行ったのは、
気のせいではあるまい。
「それは、まずい」
「どうして?」
「年頃の、赤の他人の男女が、同じ部屋というのは・・・」
「その点は大丈夫」
「なぜ?」
「君は、いとこになってるから・・・」
家族ずれの仲良し家族が、横切ったのは気のせいではあるまい。
「でも、どうやって・・・」
「布団は用意してもらうから?」
「木藤さんは、それでいいの?」
「うん。君は人畜無害だから・・・」
「おこるぞ」
「ハハハ、とにかくよろしくね」
差し出された手を握る。
やはり、異様に冷たい。
手の冷たい人は、心が温かいというが、
そんなレベルではない。
「木藤さん、失礼」
「えっ」
さりげなく、手首の掴む。
脈はあるようだ・・・
「失礼ね。生きてるわよ」
「ごめん・・・」
ゴールデンウィーク期間の滞在なので、明後日には帰る。
木藤さんが、どういう生活をしているのか・・・
プライベートな事に、首をつっこむつもりはないが、気になる・・・
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