第18話妹の場合
今日から夏休み!
宿題なんて後にやるとして明日から目一杯楽しむぞー!
そして俺はベットに入り、心地よい眠りについた。
翌日
「……………………」
「スゥー…スゥー…」
朝起きたら上に女の子が寝てました。
………ごめんなさいごめんなさいわかりました!分かったから携帯を下ろそう、通報しないで!
今俺を覆い被さるように寝ている彼女は俺の実妹の橘楓(かえで)だ。
まず君達の誤解から解くとしよう。
楓は重度のブラコン言わば兄ちゃん大好きっ子という事だ。
今では家が離れたが一緒に過ごしていた頃は思春期にも関わらず兄との同室を強く希望、困惑する親をわずか数分で納得させる頭の柔らかさとまさにモデルと言わんばかりのスタイルの良さから中学校では楽園の天使と呼ばれているそうだ。
分かったかな?これは俺が望んでいる事では無く、妹が過激なスキンシップを行なっているだけなのだ。
「おい、天使様?早く起きてもらえませんか?」
そう言って、少し体を揺らしてやると、ゆっくりだが妹の意識が覚醒していく。
「………っあ、お兄様おはようございます!」
「はい、おはようございます」
昔はまだ甘えん坊なだけなのでとても楽だったのだが……
最近は少し違うらしい。
「なぁ、妹よ」
「はい、何でしょう?」
「いい加減連絡も無く家に入り込み、兄の寝ている上に乗って性欲を満たすの辞めてくれないか?」
「お兄様の願いと言うなら何がなんでも叶えたいのですが、それは不可能です。いいですか?この世の妹言うのはですね、日頃から口に出さないだけで常日頃兄の温もりを欲するのです。だから私の行為は必然、よって無罪を証明します」
「いや、夜中に潜入して妹の性欲満たされるために苦しい思いをさせられる兄の身にもなってくれ」
「どうせ数年後には夫婦になる愛柄です、デモンストレーションだと思えば気が楽になるのでは?」
なるわけないだろ
「第一俺たちは血が繋がってる兄妹なんだから結婚なんかしてみろ、子供にまで被害が出てしまう」
「別に子供なんて欲しくありませんよ?お兄様だけそばにいるなら」
「はいはい、ブラコンもほどほどにしとけよ?」
そう言って俺は出かける支度を始めた。
「あれ?どこか出かけられるのですか?」
「あぁ、ちょっと買い物な。覚えてるか?蒼井渚とだよ」
するとピクッと体を震わせると勢いよく体をこちらに振り向かせ近づいてくる。
バンッ!!
「……私も連れてって下さい」
「えっ?えっと…」
「連れてって下さい…お兄様?」
「わ、分かった」
楓は自分の意見を通す時、大体壁ドンをしてくる。恐ろしいこった…
兄妹移動中………
「カオル?これはどういう了見かな?」
「まぁ、カクカクシカジカでして…」
「それで誤魔化せるとでも?」
「…すみません」
昔は楓と渚は仲が良かったんだけど、今ではすっかりなほどに仲が悪い。
「お兄様の周りにいる醜い虫どもの処理は妹の務めだと認識しています」
楓は何故か懐からカッターを、
「妹だから何?カオルに近づく雌達からカオルを守るのが幼馴染の役目だよ」
渚はポケットから小型ナイフを取り出す。
「お前ら、いい歳してら刃物を持ち歩くんじゃない!」
没・収・です!
「邪魔しないで!今から邪魔者を処理するから!」
「邪魔なのは貴方の方です!今ここで引導を渡してやります」
彼女らを宥めるのに数時間かかると予想し早く時間を設定しておいた、これならちょうど目安の時間にたどり着けれるだろう。
フッ………計算通り(ドヤ顔)
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