第15話クラスメイト(タイプD)の場合

「今日から三連休だが、勉強や部活などをしっかり取り組む様に、では解散!」

『先生、さようなら!』

今日から海の日も含め、お待ちかねの三連休だ。

皆それぞれ遊びに行く予定などをしている中、俺は彼女が来るのを今か今かと待ち構えていた。

「すまないな!待ったか?」

「あぁ、待ったよ、1時間以上もな!」

「お、おい!そこは彼氏みたいに今来たところだよって紳士的に返す場面だろーが!」

「知るか!そんな意味不明な彼氏像を俺に押し付けるなよ!」

「え、あんた私の彼氏だっけ?」

「え?違うだろ」

「え?違うの!?」

「違うよ、そろそろセリフ続きがうざいっていう読者が出てくるからやめような」

「はーい」

彼女は藍川芽衣(あいかわめい)、ここからは少し彼女との出会いを話そうかな。


約1ヶ月前のことだ、俺は最近有名なギリギリ18禁になるかならないかのエッチな漫画を買おうと本屋に向かっていた時のことだった。

「よし、このありきたりな参考書の間に挟んで…」

「君、その漫画買いたいのかな?」

「!?!?!?!?!?」

かなり慎重に周りを見ていたのに、後ろに立たれ頭が混乱する。

「あれ、しかも君、前の席にいた子じゃ無いかな?」

あ、終わったと何故か異様に冷静になり、諦めていた。

「まぁ、その本描いたの私だから、恥ずかしがる事はなんも無いよ」

「な!?は、は?」

「いや、だからそのエッチな漫画は私が描いたんだから恥ずかしがる必要は無いって言ったんだよ」

「マジか」

「マジマジ」

今までただのクラスメイトだった彼女は俺の愛用のエッチな漫画の作者だったのだ。

当時は口封じの為にお昼を貢いだり、絵のお手本として身ぐるみを剥がされたりと大変だったが、今では趣味の合う良い数少ない女友達だ。


「そういえば、藍川また新しい漫画出してなかったか?確か結構ドロドロした系の奴」

「あ、見てくれたの?へへへ、書き出したら結構調子良くなってね」

「でも、この漫画のヒロイン藍川に似ている様な…」


この漫画は、学校の好きな男の子を様々な手を使って堕としていくと言ったものだった。

そこのヒロインはメイといい、藍川と同じ名前なのだ。


「あはは、そんなありきたりな名前じゃないか!そもそも漫画のヒロインが自分だなんて頭おかしい子に違いないよ絶対」

「ま、まぁそうだよなぁ!そんな事ないよな!あははははは」

「あははははははは!」


すみません藍川さん、目全然笑ってないっす。

「それよりさぁ!今から絵のパーツの資料集めに手伝ってよ、今家に親はいないんだ」

「え?別に構わないけど、一体どこのパーツを使うんだ?」

すると急に顔を真っ赤にして背中をバシバシ叩いてくる。痛い痛い痛い!

「カオルのエッチ!乙女の口からなんて事言わせようとしてるんだよ!」

「お前、一体何を言おうとしてるの?」

大体予想できるんだから俺もそうなんだよなぁ。


「取り敢えず!今から!私の家で!サンプル集め!手伝って!さもないと!」

「さもないと?」

「私無しじゃイケない身体にしてあげるよ!」

「よし、今すぐ行こうそうしよう」


こんな悲しい貞操の無くし方は嫌だ。


何故か冷や汗が垂れた、じょ、冗談だよな?


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