第12話YESの結果
「もう一度聞くけど、カオルは僕の事好き?嫌い?必ず好きか嫌いかで答えて」
もはや答えないという選択肢は残されていないらしい。
彼女はまっすぐと俺のことを見つめていた
分かっている、彼女はふざけた気持ちで言っていることではない事を。
これだってレオなりの愛情表現なのかも知れない。
ならば俺なりの覚悟を見せる時だ。
「レオ!俺は……」
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穏やかな日曜の朝
俺はいつもと変わらず朝ご飯のパンを食べながらニュースを眺めていた。
何も変わらない日々、変わった事があるとすればそうだな…
「えへへ…カオル、はいア〜ン♡」
彼女、綿園レオと付き合う事になったくらいだ。
彼女は俺に好かれるためにとても辛い日々を過ごしたらしい。
そんな思いを俺は無下にしたくは無い。
だから俺は彼女の心を癒せるように言われた通りにする。
それが彼女にとって俺にとっての幸せだ。
「カオル〜、もうこれ以上僕以外の女の子と話したらダメだからな?」
…………。
「分かったよ」
「もう一生僕から離れたらダメだよ?」
……………………。
「分かったよ」
「カオル!僕の事好き?」
…………………………………。
「……分かったよ」
「カオル、どうしたの?」
「……分かったよ」
「…………………………」
…………………………………………………。
「分かったよ、分かってます、分かりました、分かってますよ、分かっています、分かっております、分かっ、分かか、わ、わ、わわわわわわ…」
「あ、あーあ。ちょっとだけ調教し過ぎたかな?ごめんね?今直してあげるよ」
ドコッ!バキッ!ガンッ!
「カオル?僕の事好き?」
…う、ああああああああ…
「お前なんか…嫌いだ…」
ゴッ!ゴキッ!
「好き…なわけ…あるか…ふざけんな…!」
ガッ!バキッ!
「やめろやめろやめろやめろやめろ…………
もう…辞めてくれ…」
バキッ!ゴキッ!ドゴッ!ゴチャッ!ドン!
「おま、お前なん…か…お前なんか…」
「もう、いい加減身を委ねてよ…
それとも、まだ続ける?僕はまだいけるよ?
さぁ、僕の愛と君の心、一体どちらが強いのかな?」
俺は何でこんな目に遭っているのだろう…
昨日俺に何があったのか全く思い出せない
俺は昨日何をされたんだ?
俺は何でこうなってるんだ?
助けてくれ…誰か…誰か…
「さぁ、最後の攻防戦だよ!最後に言い残すことはあるかい?」
言い残すこと…そうか…言い残すこと…
不思議と限界が近いと冷静になるものだな、まるで時がゆっくり流れてるみたいだ…
ははは、なんかもうどうでもよくなってきたや!
言い残す事、そうだな…これにしよう
「………くたばれクソ野郎」
瞬間頭に鈍器で殴られたかのような衝撃が走る。
痛みなど無い。
あるのはひと時の愉悦だけだ。
ーEND
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