第10話レオの狂愛
暗い、暗い視界がクリアになっていく
俺はいつも通りの土曜日が来ると思っていた。
しかし、今俺が見ている天井は知らないものだし、部屋一帯の雰囲気が自室とは異なっていた。
ふと疑問に思っていたがその疑問もすぐに晴れた。
「そうか俺、睡眠薬を飲まされて…」
しかし、そこからの記憶は無く、何があったのかがわからない。
とにかく起きようと、身体を起こしたところで不可思議な重力によって押し戻される。
ガチャリ
「鎖…?どうしてこんなものが…」
そこには普通あるはずのない鎖が手と足を頑丈に拘束していた。
「なんだこれ?くくくく………!ダメだ…外れない…」
力を入れて外そうとするが、手が痛くなるだけで外れる気配はない。
クソ、何がどうなってやがんだ
そういえば彼女たちはどうしたんだろう
彼女達、ラニとレオは何の為に俺なんかに睡眠薬を飲ませたんだ?
普段起こらない事なのに俺は異常なまでに冷静になっていた。
まるで他人事かのように
「あ!起きたみたいだな!」
ガチャリと音をたて、一人の少女が入ってくる。
柔らかな瞳、栗色の髪を持つ綿園レオだ。
あとこの説明口調面倒いから普通喋るんだけど…
ど、どゆことですかね?
いや待って、何良い朝だねみたいな雰囲気醸し出してるのさ!
俺今軽く拘束されてますよね!?
結構ピンチなのでは?
「レオ!ちょっとすまないけどこれ外してもらって良いか?すごい硬くて俺一人では外せそうに無いんだ」
とにかく、力が強いレオに外してもらって事情を聞こう
しかし、彼女は笑って
「あぁ、そうだろうね。そうじゃなきゃ奮発して購入した意味がないじゃ無いか」
と、言った確かでは無かったがそう言った気がした。
「へ…?」
「だって、せっかく捕まえたのに逃げられたら嫌じゃないか。だから少し高くてもしっかりした奴を買ったんだ」
「何でそんな事をするんだ?」
声が震えた、寒気が立ち、考えが上手くまとまらない
レオは笑った、屈託の無い笑みを
「そんなの…」
「君を愛しているからに決まってるじゃないか」
さも当たり前のように言うので、上手く反応出来なかった
いや、理解することを脳が拒否していたんだ。
「僕は君の事が一人の少女として好きだ。
君の歩いている姿が好きだ、君の笑ってくれる顔が好きだ、喋ってる時も、構ってくれる時も、君の全てを僕は愛している。これって独占欲って言うのかな?僕、姉ーちゃんみたいに賢くないからよく分かんないけど。君を他の誰にも渡したくない。これだけは確かに言えるよ」
彼女は俺の横まで来ると座り込み顔を近づけてくる。
レオが鼻と鼻の先の距離まで近づいてくるとフーと息をかけてくる
「ねぇ、カオルは僕の事好き?嫌い?必ず好きか嫌いで答えてね?」
好きか嫌いか?そんな事、いきなり言われても反応に困るな…
とにかく無難な回答をしよう、レオを片付けない形で
「その、あれだ。レオの事は嫌いじゃないかな?」
レオはニコッ笑うと
「そんな曖昧な答えは聞いてない」
バチンッ!!!!
頬に鋭い痛みが走り、徐々に涙が溢れてくる
俺、今、叩かれた?
何で?どうして?
「ごめんね、いきなり叩いたりして、でもカオルが悪いんだよ?好きか嫌いかで答えって言ったのに。まぁ、好き以外の答えなんて求めて無いんだけどね!あははははははは!」
なんなんだこいつ…?
本当にレオなのか?
「ねえ、カオル君にもう一回チャンスをあげる」
彼女は両手で優しく頬を包み込むとまた笑顔で質問した
「ねえ、カオル君は私の事好き?嫌い?」
_________________________________________
〈あとがき〉
なんか?話短くないって?
すみません、話の節で分けようとしたらこんな形になってしまいました。
次のお話はカオル君がレオの質問に好きと答えた場合、嫌いと答えた場合で話を分けようと思います。
ここまで自分でも不安になるくらいの話の構成ですが、皆さんどうでしょう?
良ければ応援もアドバイスも奮って貰えると嬉しくて花粉症が悪化しそうです!
いや、花粉症悪化してもいいんで、皆さんのコメントお待ちしております。
それではまた次の機会で
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