第9話ラニの狂愛②
トイレの段階で貞操が消滅するんじゃ無いかと肝を冷やしたが何とか無事に部屋に戻った俺は…
「いや、待て。
どう考えてもおかしいだろ!」
めちゃくちゃ冷静になっていた。
でも考えて欲しい、クラスの女子にアソコを拭かれて平常を保てる高校生男児なんて、出逢えたらLINEの交換でもしてみたいっていうくらい少ないと思うのだよ俺は。
「カオル君、朝ご飯ですよ〜。はいア〜ン♡」
彼女はというとさっきから俺にア〜ン♡をしてくる。今のラニからは甘々なオーラみたいなのが出ているが一体何が入ってるかなんてわかったものではない。
「あんまりお腹空いてないかな?」
訳すと空腹とか分かんなくなるくらい怖いんでとりまそのア〜ン♡やめてください
テスト出ますよ?多分
「せっかく作ったんですから食べてくれないと勿体無いじゃないですか」
「なんか変なの混ざってない?」
「…………………………ニコ!」
絶対なんか入ってる…
「嫌だぁ!死にたくない!」
俺は魔の手から逃れようと必死の抵抗を見せる。
ドスッ!
「………へ?」
一瞬何が起きたのかわからなかった、しかし横を見ると、彼女のすらりとした腕と手に握られたナイフがあった。
カッターからナイフにグレードアップしてらっしゃる!?
「アハ♡ごめんなさい、うっかり手を滑らしてしまいましたー」
絶対嘘だ、あからさまに狙ってやっただろーよ!
「あ、そういえばまだ朝ご飯まだでしたね!仕切り直してはいア〜ン♡」
「あ、ア〜ン」
もはや逃げる手段など残されてはいない。
もしかしたら何も入っていないかもしれない。
俺はそんな期待を胸に朝ご飯のハムエッグを咀嚼する。
(ん?特にこれといって変わった所はないのか?)
彼女の作った料理はやはり美味しく、何か入っているなんて些細な事はどうでも良くなってくる。
「ご馳走さまでした!」
「はい、お粗末様です」
全部食べてみたが特に何もなかったので、一安心である。
「喉乾いているでしょう?どうぞ水です」
「あぁ、さんきゅな」
ラニから水の入ったコップを受け取り、一気に飲む。
「ぷはぁ!生き返った〜、ところでラニ、なんで俺拘束されているんだ?」
上機嫌なようなので思い切って聞いてみる
「んーそうですね、やっぱ好きなものは誰にも渡したくないからですかね」
………ん?
「自分の大切な人が他の人に取られるのとか嫌じゃないですか?貴方が他の雌豚と喋ってる所とか見るとその子殺したくなるんですよ。やっぱり持ち主として、者の良し、悪しはしっかり教えないと駄目だと思うんですよ。え?俺の事が好きなのかって?ふふふ、そうですね、控えめにいっても愛しています、狂おしい程に。アレですね、カオル君に名札でもついていたら誰の物とか一目瞭然なのに。一回糸で名札縫い付けてみますか?………嫌だな冗談ですよ冗談!でも怖がっているカオル君の顔も素敵ですね、大好きですよカオル君カオル君カオル君」
「…な…何を言ってるんだ」
俺の本能が危険信号を出している
こいつに関わるなと
ラニは寝そべっている俺に覆いかぶさるように乗っかってくる
「大丈夫、私がカオル君を直してあげますよ」
ープツンッ
この音から先は余り記憶が無かった
気が付けば俺は彼女を押し飛ばし、手錠を破壊していた。
「キュ〜〜〜………」
彼女は衝撃のせいか気を失っていた。
「逃げるには今しか無い」
俺はこの家から抜け出すため玄関へと走り出した。
先程トイレに向かう道中、道を確認しておいたのが正解だった。
俺は難なく玄関口までたどり着く事に成功した。
「よし、こっから外に……ッ!?」
ドアに手をかけようとした時、鋭い痛みが走った、どうやらドアノブ付近に透明なワイヤーフックがかかっていた。
なんでこんな事を?
「レオに一応と、言われて付けましたが案外効果があったみたいですね」
「!?ら、ラニ……」
そこには先程まで倒れていた彼女が立っていた。
彼女はユラユラとこっちに近づいてくる
「まったく、酷いですよ。仮にも私も乙女ですよ?カオル君にそんな事されたら…嬉しくて、スイッチ入っちゃったじゃないですか。
ねぇ、責任取って下さいよ?」
俺は反射的に逃げようと足を動かそうとした。しかし、何故か体が反応しない
「なんで、動…かな…んだ…」
ラニはニッタリと笑うと
「遅延性の媚薬を水に混ぜてみました、食べ物につられて油断しましたね?」
クソ、あの時か!
「やめ…ろ!頼む…来ないで…」
「大丈夫ですよ…」
彼女は意識が薄れている俺に頬に手を当て、キスをしてくる。
「ン、ンチュ♡ンン、ッチュ♡」
舌も回らなくなり、ただ、彼女の唾液が流れ込んでくる。
下半身が熱くなり、頭がボーとしてくる
「ンッ♡ふふ、身を委ねて?優しく、優しく
そのあと何をされたか、正直覚えていない
わかる事と言ったら………
ラニを愛している事くらいだ
ーEND
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