第8話ラニの狂愛
あれからどれほど時間が経っただろう…
俺は今、ベットの上に転がっている。
いや、拘束されているの方が割と正解かもしれない。
「カオル君、ふふふ…」
そしてその横で可愛らしい女の子が眠っていた。
彼女は綿園ラニ、俺の通う学校のクラスメイトだ。
じゃあ、何でこうなっているかだって?
まぁそこから話すか…
「カオル君は今好きな人とかいるのですか?」
思えばこの時から彼女は狂い始めたのかも知れない、何気ない帰り道、特に隠す必要も無いと思っていた俺は
「普通にいるよ?」
と、普通に返してしまった。
彼女は少し驚いた顔を見せたが、その直後にニヤニヤしだす。
なんか変な事言ったかな…
とこの時、何も知らない俺は勉強を教えると言った口実で、ラニの住む家にお呼ばれされ、睡眠薬の入ったジュースを飲まされ、気がつけばラニのベットに拘束され、朝を迎えたと言った所である。
何を言っているか、わからないって?
うん、俺も良く分っかんないや!
今、親もいなければたまに来る妹も中学校生活を全力でエンジョイして俺に目も向けない。しかも昨日が金曜日なので、今日から土日である。
つまり俺、絶対的ピンチだという事だ。
静かに寝息を立てる彼女の隣にいるだけであれなのに、なんか甘い匂いがするじゃん?
まぁ俺も思春期の健全なる男の子ですから?
込み上げてくるアレを抑えるのに必死なのだ。
アレについては皆さんの想像にお任せしましょう。
「ん…んぅ、カオル君…おはようございます…」
「お、おはよう」
と、ここでラニのお目覚めである。
「ちょっと待ってて下さい、今朝ごはん作ってきますから」
と言い残し、パタパタと部屋から出て行った。
チャンスは今しか無いだろう!
「フググ…!はず…れろ!」
しかし俺の力では外すことはおろか、緩める事も出来ない。
クソ、こんな事なら日頃から筋トレでもしとくんだった!
「……何をしているのですか?」
戻ってきちゃったよ!どうすれば…
「すまない、少しトイレに行きたいからこれ外してくれない?」
おし、な、何とか良い理由を見つけたぞ!
「…あぁ、トイレですか、良いですよ。じゃあ立ってもらえます?」
ラニはトレーに乗った朝ごはんを一旦机に置くと、こっちに近づいてくる。
そして、俺の手を引くと足の拘束だけ外してそのまま連行された。
犯人って捕まった時こんな気分なんだ。
犯罪は良く無いな、うん。
「ありがとう、こっからは俺一人で行けるから、それじゃあ」
「待ってください」
トイレに入ろうとした所で静止を呼びかけられる。
「な、何でしょう?」
ラニは何食わぬ顔で
「私も入るのですから、先に入らしてください」
……は?
「ちょっとラニさん何言ってるかわからな…」
「何か言いましたかカオル君」
「いえ、何も言っておりません」
なんかカッター出てきたーあー何ーそれー?
「とにかく早く入ってください」
「…はい」
「どうかしましたか?」
「……………」
「気分でも悪いのですか?」
「…………………」
ラニ「…………………………」
俺「……………………………………………」
で、出ねぇ…
男子はみんなわかってくれるだろうが用をたしている時、後ろに立たれるとなかなか出ない事がある。
俺はその相手が女子のパターンだ。
一応耳は塞いでもらっているのだが目が完全に俺のアレに向いているので興奮を通り越して逆に恥ずかしい
「あの、ラニさん。お願いですから手錠外してもらって良いですか?トイレットペーパーが取れないのですが…」
「では、息子さんふきふきするのでちょっと立ってください」
「ちょっま!?いや待って?待って!ちょっ、ぁああぁああ…」
何の抵抗も出来ぬまま、俺はアレを女子の前にさらけ出す。
耐えるんだマイサン!お前の活躍すべき所はそこじゃない!そして今じゃない!
「ふぅ、拭き終わりましたよ。さぁ、
なんか聞き間違えかな、違う意味に聞こえたんだけど…
「気のせいですよ?」
「あっ、はい…」
だからカッター出すのやめてくださいお願いします
何も成果を得られないままただただトイレに行っただけだった。
ヤンデレ…コワイ……
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