第4話クラスメイト(タイプA)の場合②

それは夏休みがあと1週間の金曜日に起きた。


「今度こそ、私の家に遊びに来てくれませんか?」


「今日も何かご予定があるのですか?」

俺はこれ以上断り続けるのが面倒になっていた。

それもそうだ、毎回誘われて嫌なわけではないのだが、今後の事を考えると断らざるを得なくなる。


だから今回も適当な理由を出す事にした。

「今日は友達と遊ぶ予定があるんだ、だから今日も無理なんだ」


「それは彼女さんとかですか?」


有島は意地悪な顔でそう言った。

まるで私はダメなのに友達はいいのですかと言っているかのようだった。

もちろん起こってはいないようだが、いたずらをする子供のような表情だ。


「そうだね、そんなところかな?」

だからお返しとばかり俺も冗談で返した。


「え?」


「え?」

だから有島のたいそう驚いた顔が目に入る。

なぜそのような顔をしているのだろうか?


「そう…ですか、分かりました。

…………そうですね、

もう授業も始まるころです。またお会いしましょう」


そう言って有島は急に話を断ち切ったかと思えば、周りの方に目もくれずに学校に向かっていった。



親衛隊に厳重注意を受けたのはいうまでも無いだろう。


放課後、

俺はこれと言って用事もないので家に帰ることにした。

今日は珍しく有島は姿を見せなかった。

やっと解放されたと大喜びで帰宅していると、家の近くで黒い車が止まっていた。


なんだあれ、何かあったのか?

俺は不安になって家に帰ろうとした。


トンッ


音がした気がした。


ドサッ!


体に強い刺激が走り、痛みで目が霞む…


「少年よ、すまない」


その声を最後に俺は目を閉じた。




何かの温かみで意識がだんだんと覚醒していく…

知らない天井、暖かい感触、

今の俺にはそれしか認識出来なかった。

覚醒していくごとにある変化に気づく、


まず俺はベットの上にいることだ。それも誰かわからないものに。

大きさはキングサイズなのだろうか?

俺が5人並んでもまだスペースがある。

周りには薄紅色のレースがずっしりとしたようにかけられており、辺りには熊のぬいぐるみや、枕が3つほど存在していた。


とにかくここから出なくてはならない。

試しに外に出る事にした。

しかし、レースは頑丈にかけられており、出る事も、増してや退けることすら出来ない。


どうしたものかと悩んでいると後ろに小さな隙間がある事に気がついた。


これは行幸、早速そこから出る事にした。

隙間は人がギリギリ通れるほどで通れないほどではなかった。


「よし、うまく出れ…た…ぞ?」


あぁこれが息を飲むという事なのか、なるほどこれはやばいな。

君たちは想像できるかい?

部屋の辺り一面が自分の写真で埋め尽くされているこの状況を


よく見ると俺がなくしていた衣服や文房具、さらにランドセルまで置いてあった。

ランドセルは業者に処分してもらったはずじゃ…


「素敵でしょ?私のコレクション達」


鳥肌が立った、驚きで心拍がエグい事になっている。


なぜかわからなかった。

分かりたくもなかった。


「なんで君がここに…」


「そんなの決まってるじゃない?」


「私のコレクションになってもらうためよ」

有島猫がいる事が…

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