第6話 中央都市からの遣い

ガロという、相棒に嫉妬や妬ましい気持ちが湧いてくるサラだった。

(なにさ!なにさガロのこと、ばかり頼りにしてさ、そらぁ私が暴走したとき、イフリートしかいなかったから、しかたないけどね、でもガロからも、精霊の匂いがするんだよね、炎の犬なんていたかな?精霊に?)


エルナが寝てる合間に、中央都市からの遣いの者が訪ねに来ていた、セレナ婆がかわりに話を聴くと言うが、その遣いの者は、エルナが起きるまで待つと言って聞かなかった。


ガロはソファーの上で丸くなり寝ている、まるで寒さを凌ぐような格好で丸まって猫見たいだった


「全く、こんな朝早くから、何用だい、中央都市の遣いならワシが聞いても良いだろうに」

(なんじゃ!この遣いの者は、感じ悪い)


セレナ婆は右手に持つ杖を一度、地面にコンと叩き、苛立ちを抑えるセレナ、遣いの者は黒いローブを深く被り口元にはマスクをし、顔が分からないようにしていた。


「じゃあ、ワシがエルナを起こしに行くとしよう」


「いえ!けっこうです、昨日、派手な闘いがあったのを確認してますので、自然に起きるのを、待たせてもらいます」


遣いの者は、声からすると女性の声に聞こえる、

魔力持ちの者は大抵、色が視えるが、遣いの者は、かなり薄い赤、赤の民とわかる。

(なるほど、魔力を抑える、夜空のローブを着けておるな、マスクは普通のマスクみたいじゃが)


二階でガロが階段から頭を掻きながら、降りてくる。


「おう!エレクタムじゃねえか、また変な服着て出歩いてるな」


「ガロ?肉体を得たか!これは興味深い、調べさせろ」


急に、口調が変わり、セレナ婆は驚き、ガロを杖で頭をぽんと叩く。


「はよう言わんか!起きてくるのが遅いバカ犬が」


セレナ婆は自分が疑いすぎたのを恥じて、照れ隠しでガロの頭をぽんと叩いてしまった。

「痛てぇな、婆が」

叩かれた頭をおさえ内心ガロはそこまで痛そうではなかったが、セレナのことはよくわかっていた。


「こいつは、赤の民の変わり者で、術の研究者だ魔力こそ少ないが、魔石の魔力を他の物に移す術とかを研究してた奴だ」


「あぁ!魔力が少ない者が蔑まされないようにするには、幾つかの抵抗手段がいるからな」


「エレクタムは赤の魔女ギルドの副リーダーだ、といっても二人しかいないからな、ギルド閉めてまでここに来るなんてめずらしいなエレクタム」


「新しい、移動方法が手に入ってな」


魔石を地面に投げて「ゲートオープン」とエレクタムは呟き、炎の門が現れた。


「なんと!!」「なんだこれは?」二人同時に叫んでしまった。


「いやいや、あらゆる術はワシも知っておるがこれは見たことのない術じゃ」


「すげぇじゃねぇか!エレクタム」


「これはね、ギルドとここを繋ぐゲートになっているんだ、精霊の石の霊力を借りて作ったんだけど、エルナが稼いだ金ほとんど使っちゃったガロあんたが伝えてくれても良いのだけれど、嫌よね」


ほとんど使って、本人からの謝罪がないと、それは誰だって嫌な気分になる。


「当たり前だ、てめぇで謝りやがれ」


ガロは腕を組んで、エレクタムをギロリと睨む。


「まぁ、立ち話もなんだし、中に入りな」


まだ、疑っているセレナ婆はしぶしぶ、家に入れる。


「家に入る時はローブとマスクは外しな!」


「そうだぜ!エレクタム、セレナ婆の言うことは守った方が身のためだぜ」


セレナ婆は食事の支度をしだした。


「食事の作りだせば、エルナも起きて来るだろうて」


すり潰すと辛みが出る、魔石をゴリゴリとすり潰し、コカトリスを倒した時に出た魔石にすり潰した、魔石を振りかける。


すると、ぶわっと、肉の香ばしい香りが部屋に充満する。


「さて!そろそろ、起きてくるぞ」


へへっと、ガロは笑い、エレクタムを見る


「おはよ〜なんかいい匂いがするな!腹が減った」


エルナはお腹を鳴らして階段から降りてきた。


「ほらな!エレクタム俺の予想通りだろう」


ガロの話は聞いておらずエルクタムはローブとマスクを外し服を椅子にかけ、マスクは椅子に置いた。


「何が?どうしたのガロ」「久しぶり!エルクタム」


エルナはエルクタムの手を握り挨拶をする、申し訳なさそうに握られた手を外し、精霊石の請求書をエルナに渡す。


「ん?!何かなこの莫大な請求額はエルクタムさん」


「ごめん!精霊石が大量に実用でね、この間の依頼料は全部使っちゃった」


エルクタムは両手を合わせてごめんのポーズをとるが請求額が酷すぎた、七万五千イェンと弱小ギルドにはかなりの痛手だった。


「うぉーい!エルクタム、精霊石買いすぎ、三百個って尋常ではない数じゃない!」


「いやいや、本当にごめん!ギルドの方に百五十個配置して、ここにも配置する予定だからね」


そういう、問題ではなかった、いったいどうやって精霊石を持ってきたのかも不明だった。


「エルクタム、精霊石はどうやって持ってきたんだ?」


「術で小さくして、バックに入れて持ってきた、それと頼まれた武器がやっとできたよ、猟銃しかも精霊石や魔石を弾薬にでき、魔力で打つことも出来る」


ありがたかった、魔力が切れても、この猟銃があれば、鬼に金棒だった、さすがに、浄化魔法だけではこの先不安だったのである。


エルクタムが作ったバックはなんでも入る便利な、魔法のバックで画期的な発明で、持ってきた猟銃もこのバックから取り出し、エルクタムは百五十個の精霊石を床に置き、精霊石で魔法陣を作り、魔法陣からゲートが現れた。


「これで、中央都市にある、私たちのギルドに行ききできる、本当に苦労したんだから、そっちはギルドに加入する人は見つかったの?」


「ごめん!まだ見つかってないけど、心当たりならある、明日そいつに会いに行くから一緒に来てくれ」


エルクタムは「わかった!」と言い近くの宿を借りて一夜を過ごすことにした。


エルナの経営する魔女ギルドの状況をキバに説明し、社員として働いてもらうことを考えていた。

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