第4話 白の書 前編

ヤナギはセレナから2人をここな引き止める役を受けている。セレナは何か考えがあるようだ。

「そうだ、2人とも村を散策してみたらどうだ?大師匠はお出かけのようだからな。」


人形の製作を教えてもらっているヤナギはそう言わざるおえない。


事実セレナはJの師匠だから仕方ない!


「そうだな〜エルナ魔石構築の素材集め行こうぜ!この身体を試してみたい」


ガロはそう言うと新しい身体が手に入って尻尾が嬉しそうに降る。


村の近くにある森に行こうとエルナを誘う


「そうだな!素材集めに行くかガロ、森に野生のモンスターがいればラッキーだけどな」


2人で話が進みヤナギに森に行って良いか聞いてみるガロとエルナ


「あぁ夕飯には戻って来るように森の奥に遺跡があるからそこに行って見るといい!昼飯代はこれを大師匠に預かっている。」


森の奥には人狼族の今は使われてない遺跡があるようだ、人狼族は昔その遺跡を住居にしていたらしく、ヤナギはその話を2人に教え

エルナとガロは遺跡に向かう。


セレナは酒場に向かい無事に酒場に着いたが

キバの気の弱さ、ちょっとした事でビクビクしいた。


「まだ覚醒しておらんようじゃのう!こやつも神族の一端だと言うのに情けない」


キバの働ぶりを見る限り、周りから虐めは受けてないがそれに近い感じが見て取れる。


「仕方ないのうまだ早いとは思うが見ておれんそこのウェイターここに!」


そう言うとキバを呼びセレナはメニューから酒を頼むとキバの帰り際に背中に呪符を貼り付ける。


するとキバは急に倒れ込み黒髪を掻き乱し叫びはじめる。


「ぐぁあああああああああぁああああああああああ」


髪は黒髪から銀髪に変わり周囲は急に静まりかえる


「お、おいキバ大丈夫か?気分が悪いなら今日は帰るか?」


バイトの同僚が話しかけようとすると急にキバは同僚の首を掴み低い声で尋ねる


「さっきこの俺になんったあぁ!仕事が遅いトロイとか抜かしたなぁおい!外に出な俺様が相手になってやる。」


やれやれ〜周囲の酒場の客たちも悪ノリする

2人とも人狼の姿になり店の外に出る。


「まぁ俺様も今起きたばかりだから手加減してやる!」


キバはまるで人が変わった様に喋り始める

バイトの同僚はニヤニヤしながら喋る。


「俺はただお前が仕事を早く覚えて欲しくてちょっかい出してしまっただけなんだよ」


と、言いながらキバにハイキックを繰り出すが虚しく空を斬る。

キバは右にスルリと避ける


「なんだその蹴りは舐めてんのか!ハイキックこうやるんだよ!うらぁ」


キバが繰り出したハイキックは同僚の頭目掛けて同僚の頭にクリーンヒットする。


「ぐぁ、お前本当にキバか動きが早すぎて脚元が見えなかった」


「少し浅かったか、俺様は前からお前にイラついていたんだよ!」

(おかしい?俺喋ってるのに違う言葉が出てくる、でも何だか凄く気持ち良い)


「次で終わらせる全力でかかってこい雑魚が」

キバは普段使わない言葉ばかり口から溢れでる


「ふざけんな!ちょっと注意しただけでキレるとか馬鹿にしやがって!」


「それが毎回続くと嫌気がさしてくるんだよそんなごたくは良いからさっさとかかっきなクソ雑魚がぁ〜」


同僚は蹴られた頭をさすりながら、それが終わると目の前から同僚の姿が消えた。

人狼族は早が異常に早い同僚は爪を剥き出しにし突進してくる。


「単純野郎が」

そう言うとキバは地面にトントンと足をステップするとキバの前にアースウォール(土壁)が現れ同僚はそれにぶつかり気を失う

周りで勝利の歓声を浴びるキバ


「婆さんアンタの仕業だろうどうやったか知らないが背中がゾワゾワして仕方ない早く術を解いてくれ」


テーブル席で水を飲んでいたセレナは両手をパンと合わせ術を解く。


「やれやれその二面性どうにかならんもんかね?この村は悪神ロキが祀られた遺跡があると聞くが本当かね?」


半信半疑でセレナはキバに悪神ロキの事を聞く、今は堕天使が現れた以上悪神ロキの手を借りるしか手立てはない。


「すみません!キレると見境なくなってしまうんです、あの遺跡は今はモンスターの住処になっているようですが?」


遺跡はモンスターの住処になっており、エルナ達が向かっている。


(2人とも上手くやるんじゃぞ)


遺跡に向かっているエルナ達は遺跡から出てくるモンスターを倒す作業に没頭していた。


「なぁ、ガロやたらとモンスターが多くないか?」


「そおだな俺たちは素材集めで良かったんだが魔石も手に入ってラッキーだけどよ」


モンスターをなぎ払いがら会話をする2人ようやく遺跡の中に入れた。

中に入って何故だか背筋がゾワゾワする様な気分になる。


「ガロ、やたらと魔素濃度が高くないか?」


「あぁ俺もそう思ってた所だ。」

遺跡に入って途端むあっと広がる蒸気、いや熱気にちかいめに見えない魔力濃度が辺り一面に広がる


「どうする、戻るか先に進むか?」


ガロがエルナに聞いてる矢先に遺跡の入口が閉じていく。


「どうやら!先に進むしかないようだな。」


「そおだな!ガロ、相手の誘いに乗るしかないようだな」


薄暗い遺跡はエルナの魔石ランタンで灯りを灯す、魔石ランタンは名の如く魔石をランタンに入れると灯りがつくようになっている、

魔石の大きさで変わるが約1日は持つようだ


「灯りを付けたら急にモンスターが出てこなくなったな。」


壁にチョークを押し当てながら歩く、道に迷わないために。


「さっきのモンスターから魔石を回収してたからランタンの灯りには良いが、腹が減ったから調合してくれエルナ!」


ガロの腹がぐーっと鳴る


「そうだな、私もお腹が空いたから作っておくかなさっきのモンスター《突然変異の猪》で甘辛スパイスと激辛スパイスどっちがいいガロ?」


どうやら、マグマ鉱石で激辛スパイスで甘辛スパイスはカレー粉を鉱石化させて猪肉の印が付いた魔石を調合するらしい。


「ぅんなもん!どっちでも良いよ美味しけりゃ!!」


(でた!食べ専のどっちでも良いよがいちばん困るだよなぁ)


ならば考えがある甘辛スパイスと激辛スパイスを微調整して調合してガロの方だけ激辛多めにしてやる。


スパイスを鉱石化した物は小瓶の中に入っていて圧縮魔法で魔石とスパイス鉱石で味付けが可能だ。


(見てろよガロ美味しいけど辛い味付けにしてあげる。)


「ふー食った食った!ピリッと辛くて美味しかったよエルナは調合は最高だ!」


(なんだと!アレだけ激辛にしたのに味覚音痴か?)


エルナはしてやられた感じになる。


(ふー辛かったけどコレで弱みを握らせたくないからな、黙っておこう)



「そういや、罠とか何もなかったな」

「いや、どうやらここは神殿のようだな」

壁にはバンバイヤとの戦いやら今までの結末が壁に掘られていた。


「どうやら、バンパイアと人狼族は争い人狼族の勝利でこの絵は終わっているようだな!」

エルナはそう言うと何故だか頭痛が酷くなっていく。


「どうした?エルナ気分でも悪いのか顔色が悪いぞ」


下の階に進むにつれエルナは気分が優れなくなっていく。


「あぁ、大丈夫だ!けど最下層までにどうしても行かなきゃいけない感じがして」


辛そうに頭を抱えるエルナ。


「しゃあねぇな俺がおぶって最下層まで行ってやるから寝てろ」


ガロは屈んでエルナを背負い先に進む。


無事に最下層までにたどり着いたエルナたちは祭壇に祀られている1冊の古ぼけた白い本を

みつける。


エルナは顔色が真っ青になっており、ガロは

そっと、背負っているエルナを降ろしてガロは祭壇にある白い本に触る。


「チッ何でてめぇが触るんだよ。しかも赤狼の雌か、村のもんじゃねぇな!」


本から声が聞こえてくる。


「まぁ良いか体借りるぜ!」


触った本がガロに纏わり付いて勝手に手が動き腹の部位に本が張り付く。


「何だ意識がもってかれるグゥゥ」


「なかなか、しぶといなてめぇは寝てろガロと言ったか!」

(なるほど、女神の守役かそこに寝てるやつも女神の分身。)


担いで外に出るロキ

「よくもまぁこんな状態でここまできたな?」


エルナの状態が悪いので1度降ろして、状態回復魔法を掛ける。


「ガロ?いつそんな魔法を。」


「うるせぇ!1度外に出るぞ」


ガロのふりをするロキ「えっーとここが祭壇の間だから地上まで約30層かという事は」


ロキは帰りを黙算する。

「セレナの魔力を感知したヤツの事だから近くに、魔法陣が書いてあるはずだ。えっーと確かこうだったかな?」


ロキは地面に魔法陣を書いてエルナを担いで魔法陣に乗ると魔法陣は青く輝いて一瞬でセレナの近くに現れる。


「久しぶりじゃのうロキよ!」


セレナの体から煙が出てきて金髪長髪の美人の女神になる。


「アルテミスか?いや分身か」


「ガロの身体を借りて何をする気じゃ!」


「まてまて!何もしねぇよオレが用があるのはキバだ。セレナお前が言いたい事はわかる」


悪神ロキはまるでセレナが何を言いたいのか察しているようだった。


「さっさと、ガロの中から出ていくか良い」


そう言うと、ガロの身体から黒い本が出てきて、

地面に落ち黒い狼に変貌する。


「ガロから魔力を借りて一時的に肉体を生成したが時間がないキバ、お前の能力を底上げしてやるからこの本を受け取りな!」


悪神ロキは黒い本をキバに渡すが、キバは受け取るか、受け取らないか迷っている。


「じゃあ!主導権はお前でいいから、お前の身体強化だけしてやる!困った時は俺が助けてやる」


「必死じゃのう!ロキ、まぁキバのキレぐせを抑えるには良いかもな!ワシからはこいつをくれてやる、白の書、自分自身のキレぐせを抑える効果がある」


キバは白の書を先に受け取り、恐る恐る、ロキから黒の書を受け取ると灰色の本になり、キバの姿自身、灰色狼になった。


「どうじゃ?気分はキバ」


「疲れたから、俺は寝ると言ってロキは寝ました」


「ワシはエルナを運ぶから、キバお主はガロを運んでくれぬか?」


セレナはキバにヤナギの小屋まで運んでくれと頼んだ。

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