第3話 セレナの真実

人形の修復は完了してセレナはひと息つく、

まだ外では戦闘中のようだ。

「ヤナギ、Jは王都に連れてかれたと言ったね」

Jとはヤナギの師匠でセレナの弟子でもある。

「ヘイ!そうですオレは半人前だから要らないとの事でしたが。それが何か?」


「それは兵士が連れて行ったのかい?それともディアナと言う女が連れて行ったのかい?」


「ディアナと言う女は知りませんがガタイの良い兵士が連れて行きましたよ。アレには流石に逆らいたくないですね。」


「そうかい!なら別に良いわ。」

(ディアナは関係ないのかも知れんのう)


騒がしかった外の戦闘が終わったようだ。

外は結界を張って戦闘していたので1箇所だけが地面が真っ黒に窪んでいる。

戦闘が終わりイヴたちはヤナギの小屋まで歩いてくる。


「全く!無茶しおって精霊の進化はあれほど慎重にと言っておったのに。」


下手をすると魔力が枯渇して消滅してしまう

ので慎重な判断が必要とされる。


「だから〜魔力が拡散しない為の結界を張って戦闘したじゃないセレナさま」


イヴはそう言うとセレナに両手を差し出して頂戴のポーズをする。


「セレナさまお腹すいた〜マグマ鉱石頂戴アレがないと火力が出ないの気力も湧かないの」


まるで駄々をこねる子供みたいになるイヴ


「仕方ないのう。ほれ通常より大きめのマグマ鉱石じゃ」


「お婆様、話してもらえますか?どう言う事なのか?何故ここに居るのかを!」

切迫詰まった顔してエルナはセレナに真相を聞き出す。


「そうさのう?何から話せば良いか、まずは腹ごしらえをしてからじゃ」

セレナはエルナたちが戦闘中の合間に料理を作っていた。


「婆さんメシ食ったら逃げんなよ!俺も聞きたいことがあるからな。」


ガロはそう言うと用意されていた料理を運び

テーブルの上に並べる。

「俺らは生ものは食べれないぞ!」

よく見ると魔石を砕いてある米に似せた料理やスープなどエルナやガロたちに食べれるように細工されている。


「ウホー婆さんよく分かってるな」

ガロは小さくガッツポーズをして喜ぶ。

ヤナギにはちゃんとした食事を作りガロやエルナたちには魔石を砕き食べやすい様に調理されていた。

「侮れぬ婆さんだな」

ヤナギはそう言うとセレナはギロッとした目つきでヤナギを睨む。


食事が終わりエルナはセレナに話しを持ちだす

「お婆様、どう言う事か説明してください!」

エルナは感情的になりテーブルを勢い良く両手で叩く。


「あの日里は長老(セレナ)は血だらけで死んでいた。私とガロが駆けつけたときは既に死んでいた首筋には吸血鬼の独特の牙のあとがあってガロが殺した事になっていた」


里の人たちには所々噛みちぎられたように映ってたみたいだった。


「あれは、帝都の人間がやったことじゃ里全体に幻術をかけ里の人間には噛みちぎられたように見えてエルナとガロには魔力耐性が強かったからかからなかった!」


帝都の人間はバンパイヤと手を組んでいるとそう言っているようだった。


「ワシらは危険視されて里自体を壊滅させる為にやったことじゃワシらは狼と契約してはならぬガロは狼として駆除対象になってしまった、だからガロは殺された」


狼は満月の夜になると理性を保てないとされているガロの場合はそう言う事はなかったエルナと普通に暮らしていた。


度々ガロはエルナに悪戯をしていたがその程度くらいで済んだいた。


その、悪戯を里の外部の人間が大きい狼に似た犬が度が過ぎていると見なし帝都の兵に伝わったようなのだ。


ある、満月の夜にバンパイヤが幻術を使い里の人間に幻を見せてセレナの首から血を吸い殺したようなのだ。


結果はガロは里の人間から猟銃で蜂の巣にされて殺された、エルナは親戚の家に預けられ

魔法学園に入学させられ寮に住む事になる


人形と言っても精巧に作られており血も流れている。


「ワシは月の女神アルテミス様から名前を頂いたセレナじゃ里にいた人形の名前はへカーテと言う」


セレナが言うには人形は四体おり名前はこうだルナ、セレナ、ディアナ、ヘカーテとの事だった。


ヘカーテは死体ごと王都に運ばれ軟禁状態、

ディアナは中央都市で何らかの研究をしている。


残りのルナは記憶を消されギルドの長、そうエルナの事だった!


「⁈私が月の女神アルテミス様の人形、はは

なにかの間違いじゃないのか?」


苦笑いしながらセレナの話しを聞く、ヘカーテが見たものは、黒い羽根を持つ吉兆をもたらす堕天使、人間と魔族と争って中、第三勢力の介入、堕天使の登場との事だった。


奴ら堕天使には実体がなく、人間や魔族の思念を喰いものにする厄介な敵らしくエルナの浄化の炎じゃないと太刀打ちできないらしい。


「ワシもいろいろ、試したのじゃがなぁ堕天使どもには精霊の力も役に立たず難儀していたんじゃイフリートとの契約したもののまったく持って通用しなかった。この村にキバと言う青年がおるじゃろあの子は使えるワシの見立て道理なら彼はいや、ここの人狼族はロキの血を引く一族とワシの研究で判明した」


ロキとは神に逆らった悪神ロキと呼ばれ忌み嫌われている、しかしセレナが女神アルテミス様の話しを聞く限り騙し討ちに会い、地上の何処かに封印されたとの事。


「ワシは彼、キバにセレナの旅に同行してもらうように話しをつけに行く。」


セレナは小屋を出て酒場で働いているキバを

訪ねに行く話しをエルナに話す。


「ちょっと待ってお婆様!話が急すぎて何が何だか私も彼も理解しないと言うか」


急な話しすぎて少しパニックになっているエルナを見てセレナは少し微笑して話しを区切る。


「そうじゃな!今日は遅いもう話をするにも、夜がふけてきた明日にするかのう」


セレナはヤナギに寝床を用意させて二階の部屋をガロとエルナに貸すことにした。


翌朝、二階の空き部屋を借りてた2人は新しい身体を手に入れ2人して喜ぶ


「おーい2人とも1階で魂移しの儀式をするから降りてきなぁ」


セレナ婆は1階でガロとエルナを呼ぶ、呼ばれて幼女の姿をした2人は1階に降りてきた。


「やっと自由になった気分だぜ」

ガロはそう言うと全身の身体を両手上げて伸ばす。

「まず先はエルナから元に戻す女神アルテミスの名において彼の者に魂移し行います」


幼女の姿をした人形とエルナの身体をセレナは幼女の頭エルナの頭に手を置いて女神アルテミスに祈りを捧げるするとエルナの魂は幼女から元のエルナの身体に戻された。


「これで!やっとガロと2人度ができるな。」

エルナはガロにそう言うとサラが会話に割り込んでくる


「私もいるんですけど?」


雀がエルナの肩に乗り喋り始める!

どこからか?サラが入り込んだようだ。


「何だサラその人形にするのか?もっとマシなやつあるだろう?」


ガロはまだ眠いのか少し嫌みぽっく罵る


「別に良いでしょ!空からいろいろ探せるし。ガロだってその人形赤くて目立つじゃない赤い狼なんて見たことないわ」


物珍しそうにガロの身体を眺めるサラ


「俺はなエルナの身体に負担がかからない様にだな」


「次はガロお主の番じゃ」

ガロの魂が入っている人形と新しく造られた赤い狼の人形毛並みは赤くお腹の毛は白、動き安く装備は革の鎧に革のブーツ腕には革の小手、全身革装備この革は赤く光特殊な塗料を塗られ耐熱に向いているそうだ。


「おぉ〜カッコイイなエルナ!エルナ。良い仕事をしたなヤナギ!」


「え〜い!黙らんかガロ、儀式が出来ぬであろうが!」


幼女の人形に入ったガロの魂と新しく造られた赤い狼の人形にガロの魂を移す


「女神アルテミスの名において彼の者のに魂を移し給え」

ガロの儀式が終わりヤナギにJとの関係をセレナは聞く


「さて!ヤナギやお主の話を聞くとしよかのう!」


エルナはガロとの会話を止めてヤナギとセレナがダイニングで椅子に座りJの話をしていた。


「良くJに弟子入りしたもんじゃな!理由はあるのか?」


ヤナギは困った様に話す

「実は昔、他の人間には見えない者が見えてその相談相手が師匠だったんですよ」


「幽霊とか妖精が見えたりしたのか?」

エルナは話に横入りして席に座るサラは肩に乗ったまま話を聞く


「えぇそうなんですよ!師匠が言うには特殊な加護が俺にあるらしく保護してもらってました両親に話ても気味悪がられて、はは」


ヤナギの両親は気味悪がってJに預けたらしいJは孤児や特殊な子供を預かり育てて送りだす孤児院の真似事をしていたらしい


「話はここまでじゃ、皆そろったのでワシが食事を作ってやろうかのう!」


和服と割烹着に着替えたセレナは布巾を頭に被りキッチンにゆっくりと向かう


1時間後、食事が出来上がりガロは食事ができるまで「我慢できない」と言いながらテーブルを両手でリズムカルに叩いていた。


食事は人形は魔石を砕いて作るかスパイスの効いた香辛料で魔法調合する


エルナはそこまでやるのが面倒で魔法調合のみを魔石に取り込みそれを口に含み飴玉見たいに食べていた。


セレナは魔法調合を果物や肉に調合し食感を

楽しませてくれた、面倒くさがりのエルナにはとても嬉しいことだ。


「食事が済んだら酒場で働いてるキバに会いに行くちと気になることがあるでな」






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