狂える類人猿 Ⅲ
一人っ子
公開後に海外のビルの建築基準法が書き換わるほどに大ヒットした、配線から出火したビル大火災の映画がモチーフなのだろうか。燃えさかるビルから人が飛び降りてくるのを救急隊員を操作して
それをテケテケと遊んでいた時期に
そんな俺がまだ残っている小銭を手に、明くる日の午後にヒゲとゴリラに挑まんと例の場所へ向かうと既に人が付いていた。
年上のお兄さん達、と言い表わせば良いのか。何歳か歳上に見受けられる
始まって即、右端まで走り二本目の
きっとこれをそれほど遊んだことのない子が遊んだのだ、だから道理にそぐわない操作をしてしまったのだろうと思った。自殺だと思った。当然ヒゲは死ぬと思った。
だが、ヒゲは下の段の鉄骨に叩きつけられずに鉄骨を通り抜けて落下音と共に画面下に消える。直後に最上段の更に上、女性が助けを求めているその場にヒゲはいた。ゴリラが女性を再び脇に抱えて慌てて更に上へと梯子を登り、画面外へと消える。
面開始のメロディと共に50
なんだ今のは!?
初めて見る”おかしな現象”に言いようのない興奮を覚えた。
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