第三編
『————それは、新しい物語のテーマとなりうるものだろう。
しかし、いまのわれわれの物語は、これで終わった。』
パタリと本を閉じ、思案に耽る。
私の物語はどこで始まり、どこで終わるのだろう。
私の物語は何で始まり、何で終わるのだろう。
私の物語はどこへ繋がり、どこで途絶えるのだろう。
私は一体何の為に生まれ、何の為に死んでいくのだろう。
私を罵倒したあいつらは何の為に生まれたんだろう。
私を襲ったあいつらは何の為に生まれたんだろう。
私を好いたあいつは何の為に生まれたんだろう。
私に教えを説いたあいつは何の為に生まれたんだろう。
私が教えを説いたあいつらは何の為に死んでいくのだろう。
私が好いたあいつは何の為に死んでいくのだろう。
私が襲ったあいつらは何の為に死んでいくのだろう。
最初の女の子は何の為に死んでいったんだろう。
二人目の女の子は何の為に死んでいったんだろう。
三人目の女性は何の為に死んでいったんだろう。
数多の人達は何の為に死んでいったんだろう。
最後の女性は何の為に死んでいったんだろう。
——そうか、そういうことだったんだな。
狭い部屋に連れていかれて一言零す。
「私の遺伝子を残させてくれてありがとう。」
銃を前に私は笑ってみせた。
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